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(更新: ORICON NEWS

松山ケンイチ「いつも“生きている”ことを感じながら歩みたい」

役者として生きる、その意味を考えるようになった

これまで出演してきた『デスノート』や『デトロイト・メタル・シティ』『GANTZ』『ノルウェイの森』などの作品の彼の演技を振り返ると、それぞれの役になりきった“憑依型”俳優という印象を受ける。演技力だけでは補えないある種の覚悟と徹底した役作りで挑んだ芝居だからこそ、本来の自分を取り戻すことに苦しむ時期もあったのだとか。

「先輩の役者さんでも役に没頭しすぎて2年間何をやっていたかわからない時期があったという方もいました。ただ、僕は幸せなことに26歳で結婚したので、家に帰れば家族の存在により本来の自分を取り戻せるようになった。家庭を持ってからはそういう“自分を取り戻せなくなると感じる怖さ”はなくなってきたと思います。仕事は大事ですけど、生き甲斐にしてしまうのは嫌で。あくまでも仕事というのは生活のためにやるものであって、プライベートでの自分の人生も大事にしたい。家族を持ってからこんな風に考え方が変わりました」
仕事は生活をしていくためにあるものという松山にとって、オフの一番の楽しみは子供と遊ぶ時間だと言う。

「自分も楽しみながら子どもと遊びたいですね。例えば水族館に子どもと一緒に行っても僕がただ座って携帯を触っていたら意味がないしもったいない。自分も子どもたちと一緒に新しい発見がしたいんです。自分がまだ行ったことのない場所に遊びに行くのが好き。そうやって子どもと過ごしている瞬間にも常にアンテナは張り巡らしていて、“なにか面白いものないかな”と探しちゃうんですよね。好奇心や探究心が強いんです。自分が知らなかったこと、気になることがあると何でも調べますから」

“自分が知らなかった人物や生き方を作品として発表することで、観客に驚きを与えられたらこれ以上嬉しいことはない”と話す松山。役者として生きる意味をそんな風にして自身の中に見出しているのではないだろうか。

「自分の芝居や作品を通して新たな発見や驚きをお客さんに与えられたら嬉しいし、それが仕事へのモチベーションになっているところはあります。僕は今後、日本人の多様性を描いた作品に出てみたいと思っていて。というのも、僕は青森出身でいまだに地元の方言を大事にしています。でも標準語が話せないことで見下されてるように感じることがあるんですよね。

そんなことってほかにもありますよね。地方出身者だけじゃなく例えば、同性愛者の方に対してだったり…。同じ人間同士なんだからもう少しフラットな関係でいられように僕にも何かできるんじゃないかと。映画やドラマでそういったテーマを扱って、偏見を持つ人が少しでもいなくなったらいいなと考えるようになったんです。そんな、テーマのある作品に今後出演できたらいいなと思っています」

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