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ORICON NEWS
笑顔になれる本・映画
孤高のコメディアン、アンディ・カフマンの生涯
『マン・オン・ザ・ムーン』(2000年)
「1984年に、肺がんでわずか35歳の若さでこの世を去った実在のコメディアン、アンディ・カフマンの誤解と中傷と謎に満ちた生涯を、恋人の眼差しから描いた感動作。題名は、R.E.M.が、カフマンに捧げた曲から取られたものです。監督は、『カッコーの巣の上で』や『アマデウス』の名匠、ミロシュ・フォアマン。主演は、自身もコメディアン出身のジム・キャリー。恋人役は、カート・コバーンの妻としても名高いコートニー・ラブ。このアンディ・カフマンというコメディアンは、破天荒ながら、お笑いというパフォーマンスに全身全霊で取り組む姿は孤高といえます。しかし、常に新しさを求めるカフマンと、観客の間にズレが生じてきて…というのがストーリー。笑いそのものだけでなく、時々テレビで話題になる“やらせ”などをも考えさせる見ごたえのある作品です」
歴史に残るギャグ満載の抱腹絶倒劇
『マルクスの二挺拳銃』(1950年)
「サイレント期から活躍したチャップリンや、キートン、ロイドといった三大喜劇王の次の世代にあたるマルクス兄弟の傑作の一つ。一攫千金を求めて、開拓者たちがこぞって西部を目指した時代を舞台に、おなじみのマルクス兄弟が、譲り受けた土地の権利書をめぐって、西部で大暴れするというストーリー。西部劇を換骨奪胎しながらの抱腹絶倒劇。見どころは、クライマックスの蒸気機関車でのギャグ。「キートンの大列車追跡」への目配せや、ジョン・フォード監督の「周遊する蒸気船」の引用もありつつ、大爆笑を引き起こす。特に脱線してから民家を一軒まるまる押して進んでいく機関車のギャグは映画史に残るギャグでしょう。」
初恋がテーマの大ヒット作
『建築学概論』(2013年)
「韓国でラブ・ストーリーとしての興行成績を塗り替え、特に男性がリピーターになって大ヒットしたという初恋を描いた作品。大学時代に建築学科の授業で出会い、互いに淡い恋を持っていた二人が15年ぶりに再会し、距離を縮めていくというストーリー。特に脚本がすばらしく、過去と現在の起伏が同時並行的に交互に描かれ、過去と現在の結末が描かれていきます。細部も過去と現在を巧みに繋がれているので、どうか注意深く見ていただきたい。そして、誰もが持っている初恋の、ソワソワ感や、気恥ずかしさ、切なさ、不器用さがとってもよく描かれています。ハッピーエンドにはなりませんが、それが大人な結末を迎えていて、単純なハッピーエンドではないことをむしろ納得してしまう稀有な作品です。大人になったヒロインが、最後に男から受け取ったものは何だったのか?そして、それを開けた時のヒロインのうっすらと涙を浮かべつつ、微笑みながら遠くを見つめる意味をどうぞ噛み締めてください」
「ジキルとハイド氏」を元ネタにしたドタバタ大笑いの傑作
『ジェリー・ルイスの底抜け大学教授 スペシャル・コレクターズ・エディション』(1963年)
「ディーン・マーティンとの“底抜けコンビ”として名高いジュリー・ルイスが、監督、脚本、主演という一人三役をこなし、「ジキルとハイド氏」を元ネタにした傑作。1996年には、エディ・マーフィ主演で、「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」で、リメイクもされています。ルイス扮する運動が苦手な教授が、女学生の気を惹くために、マッチョになろうとして、ある薬を開発し、それを飲むことによって別人となり、その女性を口説こうとするストーリー。メガネをかけ、間抜けで出っ歯のルイスが、見違えるような色男になるのが見ものです。いつものルイスと大違いでびっくり仰天。そして、いつものドタバタで大笑いしながら、最後には間抜けでも自分を好きになろうと思う作品です」
代官山 蔦屋書店
シネマコンシェルジュ
上村敬さん
『代官山 蔦屋書店』は「次世代のTSUTAYA」をコンセプトに、本・映画・音楽を取り扱うだけでなく、文房具、トラベルカウンターなど、人生を楽しむためのコンテンツを豊富にそろえる。ライフスタイル提案型の店舗の草分け的存在として、新たな読書体験を創造。周辺には『代官山 蔦屋書店』を中核としていくつもの小さな専門店が集結する。「コンシェルジュ」は、豊富な知識を持ち、顧客ひとりひとりに対応できるプロのスタッフ。上村氏は特にカメラワークが面白い映画に精通している。
http://real.tsite.jp/daikanyama/
<推薦作品の詳細はこちら>
マン・オン・ザ・ムーン
マルクスの二挺拳銃
建築学概論
底抜け大学教授
information
代官山 蔦屋書店で1月13日19時から、映画をいろいろな角度から楽しむ日本で唯一の映画エンタメショー、『アリコン・ムービーフェスティバル2017 VOL.3』を開催。有村昆と関根勉が映画を上映しながら送るトークライブを「第1部 関根勤的Deep映画大集合!」と「第2部 ボンドガールNo.1決定戦」の2回に分けて実施する。
http://real.tsite.jp/daikanyama/event/2016/12/2017-vol3.html