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プロが教える簡単日本酒おつまみレシピ
<解説>日本酒に合うおつまみとは?
<お酒と料理の食べ合わせの前提>
万人に合う「おいしさ」などない。
自分がおいしいと思ったらそれが正解。
だからこそ、「この酒にはコレ」と難しいことを考えずに、自分が喜ぶ組み合わせを試してみよう。それが日本酒おつまみの楽しさであり奥深さだ。
「料理を食べて、酒を飲んだ時に、鼻の奥を抜ける香りが損なわれていないかどうか。酒が喉を通った後の後味が良いかどうか。僕は、食べて飲んだ時の『香り』と『後味』を大事にして、日本酒に合う料理を考えています」(井上さん)
酒選びでもよく言われる「キレがいい」とはこの後味のこと。この「キレがある」酒は飲み飽きず、様々な料理と合わせやすいという。日本酒は冷酒〜燗酒と温度帯も広く、また、食べ合わせの守備範囲も広いお酒だ。日本酒と料理の「合う」例を紹介する。
<日本酒と料理の相性の例>
一つ、「寄り添っている」状態
酒の温度や味わいが同じ方向性であること
一つ、「まろやかになる」状態
例)脂がのった濃厚な肉料理と酸(アミノ酸)がしっかりした日本酒を合わせるとお互いがまろやかに
一つ、「引き立てる」状態
複雑な味覚の料理を食べた後、口中の後味を日本酒の有機酸が洗い流してくれ、次の一口が新鮮に感じる。
一つ、味を「補う」状態
味覚の“五味”の足りないところを料理と日本酒が補い合う
このように、合うといってもさまざまなパターンがある。逆に、せっかくの酒と料理を台無しにしないためにも、“合わない組み合わせ”を把握しよう。
<合わない組み合わせの例>
例)礒の香りが強い料理・食材×生酒などフルーティーな日本酒
×酒の良さが消されてしまう組み合わせ
例)スパイシーで味が濃い料理とフレッシュな日本酒
×料理の良さが消されてしまう組み合わせ
例)淡い味わいの料理と個性的な芳醇タイプの日本酒
失敗が少ないのは発酵食品との組み合わせ
<発酵調味料を使ったバリエーション例>
しょうゆ…煮付け、おひたし、つくだ煮
みそ…なめろう、味噌汁、味噌煮
酢…寿司、酢味噌のあえもの、ピクルス
「自分好みの日本酒」と、それを引き立てる「自分好みの酒のアテ」。
自分の味覚に合った酒と料理で自宅の晩酌が贅沢な時間に変わるはずだ。
(取材・文 / 加藤由盛)