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ORICON NEWS
永瀬正敏「“雨”は最大のチャンス」
「5年間ずっと映画に出られなかった。その“雨”の時期でも心は“晴れ”ていた」
「人生は、一日のなかでも“晴れ”と“雨”があったりするので、はっきりといつが“晴れ”でいつが“雨”、とはなかなか言えない気がします。毎日がその繰り返し。でも僕の中の大きな部分で言えば、5年間ずっと映画に出演できなかった時期があり、それが“雨”だったと思います」。
案外“晴れ”と“雨”、どちらがいいかは言えないものだと思います。というのも、“晴れ”の時期は調子に乗ってしまい、足元をすくわれるかもしれない。単純にはいかないのが人生で、そこが人生の面白さなんじゃないかなと。今思うと、僕にとって映画に出られない5年間の“雨”の時期は、最大のチャンスだったと思います」。
人は、うまくいかない時期が続くと諦めたり腐ったりしてしまいがち。けれど、永瀬の“映画にかける情熱”は、並大抵のものではなかったのだろう。当時は、もしかしたら悩んだこともあったのかもしれない。けれど、どんな時間も無駄にせずに映画を愛し続けたことで、“映画人生の晴れ”は、運命の糸に導かれて彼の元へと訪れた。
満席で、立ち見も出ているほど人気だったので、シアター内の階段に座って観たのを今も覚えています。そして観終わった瞬間に“これはすごい映画だな”と、衝撃を受けました。その後すぐに受けたオーディションで、『映画に出ないか?』と言ってくださったのが、ジム・ジャームッシュ監督だったんです。
5年間、何の映画にも出演していなかった僕に声をかけてくださった。驚きましたし、願えば思いは届くものなんだな、と感動しました。もし、“人生の雨”の時期に、もう芝居なんていいやと諦めていたら、ジム・ジャームッシュ監督には出会えなかったかもしれない」。