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夏の夜は空を見よう 星景写真家の「心に残る星空絶景」5選
―乗鞍岳 畳平〔日本・岐阜県〕
「月明かりに照らされた、高山植物のお花畑。雨まじりの不安定な天候の夜、わずか1時間半だけ晴れてくれ、この光景に出会うことができました。月齢、花期、そして天候…複数の要素が揃って撮ることができた幸運の一枚です」。
―ウィリアムズ〔オーストラリア・西オーストラリア州〕
「昼間のロケハンで見つけた、葉をつけていない、名もなきこの弧樹の佇まいがとても気になり、夜になって行ってみました。ちょうど天の川の一番明るい部分が昇ってきたタイミング。“枯れ木に花”ではないけれど、“枯れ木に星”を咲かせてみました。僕は樹々と共に星空を見上げるのが好きなんですが、この樹も一目で気に入ってしまいました」。
―フェアバンクス近郊〔アメリカ・アラスカ州〕
「オーロラがブレイクアップすると、その発光体は激しく舞いながら広がり、北の空からみるみる頭上を越えて南の空にまで達しました。マイナス40℃の極寒の中でしたが、寒さも忘れ、夢中でシャッターを切りました」という。「緯度が変わると、見慣れた星座も位置が異なって見えます。この写真では、冬の星座としてお馴染みのオリオン座が、日本で見るよりも低い位置に見えていますね」。これも世界中のあらゆる場所で星空を見る楽しみのひとつ。
―南都留郡 山中湖村〔日本・山梨県〕
「雪と星をいただく富士山。凪いだ湖面には、逆さ富士と冬の星々がきれいに映り込んでいました。絵的にはそれだけでも十分なのに、この晩は5羽の白鳥たちが目の前にやってきてくれました」。
―ナンバン国立公園〔オーストラリア・西オーストラリア州〕
「“荒野の墓標”と呼ばれるピナクルズ。非日常な空間に佇んでいると、どこかよその惑星に立っているかのような錯覚を覚えました。ワイルドな風景でお馴染みの場所ですけど、あえてファンタジックに描きたいと思いました」。“この地から星が生まれ、宙へと還ってゆく”そんなことを空想しながらシャッターを切ったという。
「地球上のどこへ行っても変わらない“安心感”」
星空写真を撮ること20年近く、様々な星景を切り取ってきた武井氏。星空を追い求め続ける理由とは。
「星空はいつも見上げればそこにあります。そこには、子供の頃から見慣れた星の配列があります。それは場所が変わっても同じこと。知らない土地に行っても、たとえそれが海外であっても(緯度によって見える領域の違いはありますが)、見上げれば見慣れた星座たちが輝いてくれています。その安心感こそが魅力であり、飽きもせず星空を追い続けている一番の理由だと思います」。
星景写真家
武井伸吾(たけい・しんご)
公式サイト:takeishingo.com/(外部サイト)