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織田裕二「幸せになることだけを考えている」

CULTURE
2012年に公開された『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来、織田裕二にとって4年ぶりの映画出演となる『ボクの妻と結婚してください。』。演じた三村修治という男は、織田が長年待ち望んでいた役柄だったという。悲しみを背負いながらも明るく真っすぐ生きる男を演じた今作は、俳優・織田裕二にとってどのような作品になったのだろうか。

4年ぶりに本気になった織田裕二の“涙”

織田が演じたのは、テレビ業界でバリバリ働く売れっ子放送作家の三村修治。映画は、すい臓がん末期で、治療の見込みはなく余命半年という宣告を受けるシーンからスタートする。修治は自分がいなくなった後に、愛する妻と息子を幸せにしてくれる“妻の結婚相手”を探し始めるという一風変わったストーリーだ。織田の俳優人生において特別な作品になったという。

「青島刑事という役を含め“踊る大捜査線シリーズ”はすごく思入れの強い作品だったので、実は終わったあと次は何をやろうかと結構悩んだんです。ありがたいことにいくつかオファーを頂いていたのですが、なかなかこれだという作品に出会えなくて…。で、以前『県庁の星』(2006年)という映画でご一緒したプロデューサーが“これどうかな?”と持ってきてくださったのが今作でした。内容を把握した瞬間に“待ってました!”と言うぐらい、ずっとこういう作品がやりたかったんだということに気づきました」
「単に“余命を宣告された男の泣ける話”だったらもっと重くて暗い作品って沢山ありますよね。でも、僕が惹かれるのはそういったものではなく、笑いながらもいつの間にかスーッと涙が溢れてしまっているような、まさに今作のような物語だったんです。修治は突拍子もない男ではありますが、ようやくやりたかった役に出会えたと感じましたし、タイミング的にもちょうど良かったんだと思います」

長いキャリアを持ちながらも、ようやく巡り会えた作品。かなりの熱量で挑んだ結果、俳優としての新たな発見もあった。
「若い頃はカメラの影で手を噛んで泣いたりしたこともあるくらい、涙を流すシーンが実は苦手だったのですが、この作品では撮影中ボロボロに泣きました。台本を読んでいる段階から涙で活字がぼやけて読めない状態になって、“あかん!なんでこんなに泣けるんだろう”と(笑)。もちろん泣けるだけの映画ではないので笑える楽しいシーンも沢山ありますが、僕は何故だかわからないけどワンシーンごとに泣けるスイッチがいちいち入ってしまってヤバかったんですよね」

新たな自分に出会えた織田の表情はとても明るく、充実した撮影だったことが伝わってくる。“余命を宣告されたけど明るく前向きに生きる男”をどういった心境で演じたのだろうか。

「修治はガンになったことを知った妻から“一緒にいて”と最初は言われます。でも、家にいながらガン治療するということは、毛が抜けていったりどんどん弱っていく姿を家族に見せなきゃいけなくなるんですよね。だから修治は家族と一緒にいるのではなく、残された半年をどうやって前向きに生きるか考えるんです」
「宣告前までは、ひょっとしたら仕事に没頭していて家族をないがしろにしていた部分もあったかもしれません。でも、宣告後は妻や息子に愛を伝えられてなかったんじゃないかと自分を見つめ直すんです。考えた結果、仕事も全部整理して捨てて、自分がいなくなったあとの妻と息子の未来のために動き出す。ガンになってしまったことは辛くて悲しいけれど、家族と自分との関係を見つめ直す前向きな物語でもあるんじゃないかと。そんな風に感じながら演じていきました」

余命わずかな夫の“思いつき”と真摯に向き合い、優しく強く寄り添う妻を演じたのは吉田羊。そんな吉田との撮影で印象に残ったことがあった。
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