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ORICON NEWS
my job , my heart 「考えるラーメン屋」
多忙ながらもワークライフバランスを重視する
05:30 起床
6:00 店へ向かう(通勤)
給与の計算、シフトのまとめ、スタッフへの指示だしなどを電車の中でスマートフォンから行う
8:00すぎ 店へ出勤
11時の開店に向けて、スープ、トッピングなどの仕込みをしながら、限定ラーメンを考えてレシピを書く
11:00 お店オープン
14:00ごろ 昼ピーク終盤
落ち着いてきたころ、もうひとつの店舗へ移動
抜き打ちチェックの要素もあり、品質を保てているかのチェックも余念がない。
15:00 アイドルタイムに仕込み
食材の発注、仕込みをしながら、レシピの試作をする。体調がすぐれない時はマッサージなど体のメンテナンスをするときも。また、雑誌などの取材対応も昼の時間に行うことが多い。
17:00 夜営業開始
お客さんが落ち着いてきたら平行して翌日の仕込みを行う
20:30ごろ 退勤(店を出る)
店長に閉店作業を任せ、退店。通勤時と同じく、諸々の業務連絡やまとめを電車内で行う
23:40 帰宅
休みは月により変動。イベント出店などが入ると休みはつぶれてしまう。忙しい時は月に2日。通常は1週間に1日は休むように調整しているという。
稼ぐために不眠不休で働くことはしたくない。心の切り替えをしっかりして、オフの時間もしっかり楽しむことは、仕事のため、お客さんのためでもある。
「この仕事は体が資本です。体調が悪くなると舌、味覚のバランスも崩れてしまい、それがラーメンの味に影響してしまいます。人間の体は、夏場だと塩分が欲しくなるし、逆に塩分や甘みを欲するときは疲労が溜まっていたりするものです。人体は気づかないところで調整してしまうものですから、体調にはすごく気を付けています」
味覚は体験した人にしか分からない繊細なもの。口に入れるものだから、その質を保つために、肉体的・精神的な休暇が大切だと考える。
ラーメン店の仕事の魅力は「新しい価値」を作れること
「ラーメン業界全体の実力が底上げされていると感じます。ミシュランで星を取る店も出てきて、ラーメンというものが麺料理としてようやく世界に通じるものになりつつあると思います。どこの店もラーメンの構成が面白くなってきていて、食材も考え方も自由化しています。決まりがないこと、なんでもあり、どんな食材を使ってもいいのがラーメンの面白いところです」
「みんな仲良く」という小さい頃からの口癖が料理にも生きているという。
例えば洋菓子も日々変わっていて、今はバウムクーヘンの表面がブリュレになっているものもありますよね。時代はどんどん進んでいきます。セオリーにとらわれない取り組みがパイオニアになっていくと思うんです。今は店が軌道に乗って責任者に任せられるようになりましたから、頭を働かせることができる。一杯の構成を考えるのが楽しい。自由な形で新しい価値を考えられることがラーメン店の魅力だと、料理人として感じています」
目指すのは「想像がつかない味」のラーメン
「分かりやすい料理のほうが一般評価は高いと思います。例えば、和食の料理人が『ハモと松茸のラーメン』を作るとするじゃないですか。それ絶対においしいと思いませんか? 骨切などの下処理、丁寧なアク抜き、火加減…技術のない人には作れないものですし、実際にそういうハイレベルなラーメンを作っているお店もあるんじゃないかな。そしておそらく、食べると『ハモと松茸だ』と分かるおいしさだと思います。
僕は逆に、「想像しづらいラーメン」をテーマにしています。その食材をこんな風に使うの!?っていう意表をついたものを出したい。驚きがあるラーメン、記憶に残るラーメン、頭から離れないラーメンは心掛けています。なにより、その方が僕自身、作るのが楽しいんです」