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(更新: ORICON NEWS

my job , my heart 「心で切るシャッター」

刺激的なフォトグラファーの仕事

フォトグラファーとして独立し、さまざまな撮影の仕事を請け負う。聞いたなかでも刺激的・印象的なエピソードをピックアップ。
Episode01
タランティーノ監督からの誉め言葉
「you are professional!」

“人の生きざまが映る写真”がRYUGO氏のモットー。某出版社の仕事で、来日するクエンティン・タランティーノ監督の撮影をすることになった。デジタルではなく、フィルムのムービー撮影にこだわっているタランティーノ監督の想いを写すべく、各社のカメラマンが一眼レフカメラで連射撮影する中、RYUGO氏は4×5インチの大判フィルムカメラ、通称“シノゴ”のみでの撮影を敢行。
  • 4×5インチの大判フィルムカメラ、通称“シノゴ”

    4×5インチの大判フィルムカメラ、通称“シノゴ”

  • ”シノゴ”で撮影したタランティーノ監督の写真

    ”シノゴ”で撮影したタランティーノ監督の写真

「持ち時間は2分。本人にポラを見せながら説明した後、アングル微調してピント合わせて、レンズ閉じて絞って引き蓋ひいてポラ切ったら…「あと1分!」って言われて。結局ワンシートの表裏の2枚しか取れませんでした。タランティーノ監督はそのまま次の取材に流れていくかと思いきや、僕の所にきて右手を差し出し「you are professional!」と言い、握手をしてくれました(笑)」

ちなみにRYUGO氏は「you too!(あなたもね!)」と返答したそう。
Episode02
南アフリカで現地レンジャーと一緒にキリン探し

資生堂の金のTSUBAKIのCMメイキング班、スチール撮影スタッフとして南アフリカへ。
「そこでは竹内結子さんがサバンナを風にふかれて歩くシーンなどを撮影していたのですが、僕は彼女がインタビューで答えた内容のイメージカットを撮りにいったりしました。竹内さんが「キリンが〜」とおっしゃってたので、そのカットを撮りに行こうってなって。アテンドのレンジャーの人に「I wana take a Giraffe」って頼んで、ジープで連れて行ってもらったり、アリゾナの撮影ではロケ地がLake Powellだったんですが、普通じゃ入れないところまでボートで入っていったり…。なかなかできない体験をたくさんさせてもらいました」
Episode03
有村架純と共演!?“フォトグラファーとして”俳優デビュー
化粧品ブランド「SK- I I」のWEBムービーに出演。普段は撮影する側だが、女優・有村架純の未来の肌を再現する試みのドキュメンタリーで有村架純を撮影している様子をムービーで撮影された。

進む道は、作品が導いてくれる

RYUGO氏のポートフォリオの一枚

RYUGO氏のポートフォリオの一枚

広告など大きなプロジェクトの仕事も請け負うRYUGO氏。フリーランスは撮影を受注するために、営業活動もするという。しかし、仕事の取り方にも独自の考えがあった。フォトグラファーとして一番大事なことは、自分らしい写真を追求すること。フォトグラファーは、自分の作品集(ポートフォリオ)を作る。ポートフォリオは自己紹介であり、名刺のようなもの。RYUGO氏のポートフォリオには、これまで撮影した“人”の写真が並ぶ。

語学留学で渡米し、写真撮影の旅をした時に撮影したカット

語学留学で渡米し、写真撮影の旅をした時に撮影したカット

「出版社やクリエイター、直接仕事をくれる人に営業はしなくなりました。たまに『あなたに仕事をお願いするとどうなるのか?』って言われることがある。でも、編集者が求めているものを撮れる技術はあると思っています。だから、そういう「どこの雑誌で取った案件まとめました」っていうポートフォリオを作っても意味がない。自分が表現したいことがポートフォリオであるべき」

「僕が今仕事でお世話になっているCDやADの人達にそういう「こんな仕事やあんな仕事しましたブック」だけを持っていっても多分「何がしたいの?」って怒られます(笑)。仕事のきっかけも、ポートフォリオが進むべき道を導いてくれると思っています。初めての仕事もそうでしたから。メディアの人じゃなくても、誰に見せてもいい。モデルでも、スタイリストでも、飲み屋の兄ちゃんでも誰でもいい。それが巡り巡って人を結んでくれて、“フォトグラファーの仕事”につながっていくんじゃないかと思います。逆にいうと、そういうポートフォリオである必要があると思います」

撮られる人の気持ちを考える

「僕の師匠の写真家・宮本敬文さん(故人)には写真に対するスタンス、撮影の臨み方を学びました。人を魅力的に撮れる人と撮れない人の差は、撮られる側の気持ちを考えられるかどうか」

  • 東方神起の2015年写真集『WITH』。表紙にはRYUGO氏の写真が採用された。

    東方神起の2015年写真集『WITH』。表紙にはRYUGO氏の写真が採用された。

「コミュニケーション能力よりも、誠意をもって撮ることを何より大切にしています。人でも物でも僕が本気で愛せないと写真に愛は写ってくれません。そういう目に見えない要素(感情や空気感、温度や湿度、音や匂い)を感じる写真が僕は好きなので。元々は特別ファンじゃなかった人でも、撮影したらファンになることはごく自然な事だと思います」
撮影現場で、『ここで撮られるのはどういう気持ちなんだろう』と考えながらセッティングをして、自分も必ず被写体側に立つ。ファインダーを覗きながらシャッターを切るだけでなく、ファインダーを覗かずに会話をしながらシャッターを切ったり。被写体の気持ちを想像して、コミュニケーションを図りながら撮影をする。

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