OLIVER

my job , my heart 「感情を操る仕掛け人」

BUSINESS
『OLIVER』仕事人特集インタビュー。アーティストの生み出す作品を世の中に送り出す手伝いをし、音楽シーンを大きく支えているA&R(アーティストの宣伝マン)・山上聡氏に話を伺った。現在担当するのは、サカナクション、サンボマスター、RED SPIDERの3組。アーティストとのエピソードも明かされる、はたして大手レコード会社のA&Rは何を見て何を考え聴衆に訴えているのだろうか。
TOPICS
P1.A&Rの仕事とは〜音楽シーンに欠かせない立役者〜(外部サイト)
P2.やりがい、面白み、喜び…それに反して生まれる避けられない苦労(外部サイト)
P3.感情を操る仕掛け人に聞いた「5つの質問」(外部サイト)
Profile

株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
Getting Better Records 宣伝グループ
山上聡さん
1999年にビクターエンタテインメントに入社し2年間営業、その後の2年間媒体担当を経験し、今日まで13年間A&Rとして勤務。現在はサカナクション、サンボマスター、RED SPIDERの3組のA&Rを担当している。音楽が好き、好きなことを仕事にしたいという思いから入ったレコード会社。大学生のころは、自身もバンド活動に打ちこみ、「FUJI ROCK FESTIVAL」の始まりなども重なり一般的なPOPシーンより、エッジの効いた音楽を好むという。

アーティストを支えるA&Rの仕事とは

現在はサカナクション、サンボマスター、RED SPIDERの3組のA&Rを担当している山上氏。それぞれのアーティストやマネージメントと協議を重ね、CDリリースプランニングを決定するほか、それに基づいて、テレビや雑誌、web、ラジオなどのマスコミへの露出へのプランニング、CD販売プランニングを行っている。
<ビクターエンタテインメント山上氏の1日>※一例

9:00  起床
10:30  出社
出社後、ケータリングなどの手配の確認

12:00  移動し撮影スタジオ到着  
メンバー、メイクさんなどスタッフの対応

13:00-14:00 打ち合わせ
スタジオ内カフェで本人を含めての、別のテレビ番組出演の内容打ち合わせ

16:00-17:00 歌番組収録
17:00-18:00 片づけ、準備
片づけ、次の番組収録準備を行う

移動

19:00-21:00 ロケ収録立ち合い
朝の情報番組での特集枠のロケ収録立ち合い

21:30-23:30 夕食
メンバー、スタッフさんらと夕食

24:00 帰宅
27:00 就寝

音楽が好きで気づいたらレコード会社に

周りの環境に左右されることなく、なぜレコード会社を選んだのか、それは単純明快な理由だった。

「大学時代の就職活動においては、レコード会社だけ就職活動で上の方まで残る傾向がありましたね。音楽ならば人よりは知っている自信があったので、扱う商材としては他人に勝てるのかなあと思って受けた気がします。大学の同級生のほとんどは、どちらかというと金融や商社、情報通信系の大手企業を求める人が多かったですね。僕は音楽が好きでレコード会社を受けましたけど、学校の中だとかなり異質でしたね(笑)。何でそういうところ行くんだろうって感じでした。当時はあまりいなかったんですよね、採用人数も少ないですし。世間に名の知れた大手企業だったら1年で500人〜1000人くらい採用しますけど、音楽業界ってその人数も全体で入らないんじゃないかなって。

レコード会社に就職して最初は営業をやっていました。CDショップで毎月リリースされるCDの受注をするセールスマンです。「このディスプレイを取って初回受注500枚で!」といった感じに。2年間営業をやって、そのあと宣伝に移ったのですが、最初は媒体担当を2年間やって、そのあとはずっと今日までA&Rプロモーターを13年くらいやっていますね。最初に担当したのはMighty Jam Rock(マイティ・ジャム・ロック)、DOBERMAN INFINITY(ドーベルマンインフィニティ)の前身DOBERMAN INCでしたね」

ゾクゾクする“登っていく感覚”を味わえる仕事

「楽曲をリリースしたときに、テレビやwebなどを通じて自分たちが企てたものを想像以上にお客さんが喜んでくれたり、楽しんでくれたりする瞬間は面白いですね。この面白みがないとこの仕事自体みんなやっていないと思うんですよね。音楽って衣食住とは離れたところにあって、本来生きていくうえでは絶対に必要ではないもの。でも、音楽は人の感情に訴えて、その生活を豊かに彩ることができる。自分たちが提案したものでリスナーの生活が少しでも色鮮やかになればいいな、と思っています。

予算があまりない中で制作チームと一生懸命作ったMVが、YouTubeでアップした瞬間にすごい反応で拡散されていくじゃないですか。自分たちの予想を超えて。そしてリリースした情報がwebで話題になり、ワイドショーで取り上げられたり…そうやって今まで振り向いてくれなかった人がどんどん振り向いてくれるところに、登っていく醍醐味がありますね」
今でもサカナクションの代表作として取り上げられ続けるあの作品への思い、そして当時のエピソードも語ってくれた。

「サカナクションでいうと『アルクアラウンド』っていう曲のMVは、撮った後で僕ら的には実は失敗作だと思ったんです。あまりいいものができなかったかもしれない…って。あまりにも監督といろいろと打合せを重ねて、“こうあるべきだ”ってものから、もしかしたらズレてしまったかもしれないって。やりすぎてよくわからなくなっていたんですが、きっと監督だけは最後まで自信があったと思うんです。メンバー含め僕らも少し心配していたのですが、YouTubeに公開したらその直後にすごいポジティブな反応があって。まるで他人事のように「すごい反響だなあ」と思ったことを覚えています。このMVが世に出たことがサカナクションっていうバンドがいちロックバンドから違うフェイズに移った瞬間のひとつだったかなと思います。そういう瞬間に立ち会えたことや作品を生み出せる場にいれることは面白いし、想像を超えたお客さんの反応を見れることは本当に楽しいです」
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