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深津絵里 「苦しさがあるから“楽しい”」

過酷な状況を楽しんだ“サバイバル撮影”の旅

これまでの女優のキャリアの中でも過酷な撮影だったという本作。自身の楽観的な部分に助けられつつも、女優として新たな気づきがあったという。

「2カ月ちょっとオールロケーションで撮影して、そのすべてが天気に左右されていました。豚を追いかけたり、真冬の川に入ったり、そういうシーンが全部天気との闘い。テストをせずにぶっつけ本番が多くて。一歩間違うと危険なこともあったし、緊張感をもって臨みました。でも、そういう状況になる度に、「お芝居ってなんだろう?」と考えることがありました。本物の自然の中に放り込まれて、そこで私たちがやっていることは、脚本があって、リアルに見せている作り物。それをどうやって通用するものに出来るのかずっと考えていました」

「自分がお芝居をしているという感覚がまったくない作品でした。“こうなったときにはこういうリアクションかな”と、台本を読んでイメージしていたことが何も通用しない。特に豚を追いかけるシーンとか(笑)。これまでの人生で、生きている豚に触れたことがなかったし、どういう風に追いかければいいのかはもちろん、捕まえ方も当然わからない。でもそれがこの映画ではリアルなこと。着ている服もボロボロになって、お風呂も入れなくて、どんどん汚れていって水も食べ物もない状況だし。役作りすることがナンセンスというか(笑)。それよりも目の前の状況をどうするか。2カ月にわたるハードな撮影をどう乗り切るか、自分の身を守ること、健康管理を考えていたと思います」

出演者たちも“サバイバル”だったという。そんな、人間の生きていく力を描いた作品。出演してみて、世の男性のエネルギーはどう感じるかと問いかけてみた。
「置かれている環境はみんな違いますが、家族がいると守ろうとしているものの数が違うというか、密度が違うというか…やっぱり家族をまとめる力は男性、お父さんなんだなって今回の作品を通して改めて実感しました。子どもも妻も、それぞれの役割で生きているのですが、お父さんの存在自体が“大きい力”ですよね。今回の小日向さんはダメなお父さんですが、それでもそのお父さんがいないと家族が成り立たない。お父さんがいなかったらどうなるかと考えた時に、電気がなくなる以上に大きなことなんだと思いました。

劇中の鈴木家はかっこ悪い家族ですけれど、ダメでもいい。この映画はなんとかまとまって、生きようとする“人間の力”を描いています。今、頑張って生きているお父さん、お母さん、働く女性、生きている、踏ん張っている方すべてに届いてほしい。きっとエネルギーがもらえると思います」

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