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SPECIAL OTHERS 「音楽が好き、ただそれだけを貫き続けた10年間」

CULTURE
音楽好きの大人から熱烈な支持を得ているバンド「SPECIAL OTHERS」。歌のないインストゥルメンタルというスタイルながら日本武道館をソールドアウトさせるほか、フジロックフェスティバルをはじめ、各種フェスに引っ張りだこの“スペアザ”の結成10周年イヤーがフィナーレを迎える。記念企画としてビッグアーティストのコラボアルバム第2弾『SPECIAL OTHERSII』を3月1日にリリースする。

「音楽が好き」、その想いのみで突き進んだという10年間。インストという独自のスタイルを貫く彼らのこれまでの歩みと、音楽愛、コラボアルバムの制作秘話を4人に語ってもらった。
TOPICS
01.10周年イヤー総決算コラボアルバム『SPECIAL OTHERSII』制作秘話
02.“らしさ”を出すのはダサい
03.スペアザ流の信念の貫き方
04.つらさを乗り越えるよりも、楽しいことを突き詰める
Profile
SPECIAL OTHERS
写真左から 芹澤 "REMI" 優真(Keyboards)、柳下 "DAYO" 武史(Guitar)、又吉 "SEGUN" 優也(Bass)、宮原 "TOYIN" 良太(Drums)

横浜の岸根高校の同級生で1995年に結成。2000年頃よりストリート、クラブ、レストランバーなどでライブ活動し、2006年ビクターよりメジャーデビュー。以後、音源制作やライブツアー、様々なフェスへの出演他アーティストとのコラボ等、活動を拡げる。2013年には日本武道館でのワンマンライブを開催し、チケットはソールドアウトとなり、大盛況のうちに終える。2014年には本家SPECIAL OTHERSと並行してSPECIAL OTHERS ACOUSTIC名義での活動も開始。2016年のデビュー10周年の総決算として“ウタモノ”コラボアルバム『SPECIAL OTHERSII』を2017年3月1日にリリース。

バンド名の通称は「スペアザ」。ジャムバンド、インストバンド、ポストロックと評される場合が多い。メンバー表記にあるミドルネームは、アフロビートの創始者、Tony Allen氏により名付けられたもの。

10周年イヤー総決算コラボアルバム『SPECIAL OTHERSII』制作秘話

――10周年が終わり、11周年目に突入されます。今作の『SPECIAL OTHERSII』は、2011年の『SPECIAL OTHERS』以来の“ウタモノ”コラボアルバムですが、インストで人気を博す「SPECIAL OTHERS」の10周年の総決算がなぜウタモノだったのでしょうか。何か特別な想いや“仕掛け”があってのことでしょうか?

宮原"TOYIN"良太 いや…実は、そんなに…(笑)。10周年イヤーの企画として前作のインストのアルバム『WINDOWS』(2016年)をそのスタートと捉えていて、“10周年記念祭り”の企画がいくつかある中で、最後のピースがこのウタモノコラボだったんです。最後はみんなでワイワイと締めくくろうよって。ベスト盤も付属するし、そういう意味での総決算ですね。

――前作のコラボアルバムの反響が良くて…という始まりではなく、あくまでも10周年記念の“お祭り”ということですね。

宮原"TOYIN"良太 反響ってのはそれほど気にしていなくて。やっぱり自分たちがやりたいからってのが大きかったですね。

――過去のインタビューでもやりたいことをやる、というこだわりは貫いていますね。

全員 「そうですね」

宮原"TOYIN"良太 反響良いものはもちろんやりたいんですけれど、でも、一番先に考えるのは自分たちにとって“いいものかどうか”っていう。

――斉藤和義、RIP SLYMEといったビッグな方たちとコラボしていますが、そのアーティストはどうやって決まったのでしょうか?
芹澤"REMI"優真 フェス文化が浸透して、アーティスト同士の交流が増えたと思うんですよ。フェスの現場で出会ったアーティストに「こんなアルバム聴いていました」とか、言ったり言われたりすることで仲良くなっていって。楽屋ではくだらないヨタ話をするようになって(笑)。波長が合う人達といつか一緒にやろうって、話が出て…自然発生的な流れですね。そのうえで、お願いしたらOKしてくれる人が集まったんです。

宮原"TOYIN"良太 そうですね。「コラボ作りましょう」って始まったものじゃなくてだんだんと「この人たちと演りたい」っていうのが溜まっていって、今回出すことになったと。
又吉"SEGUN"優也 まぁ…知り合いというか。コラボアーティストはビクター縛りでもなくて(笑)。たまたま、今回集まったのが、山田君(THE BACK HORN)、斉藤和義さんとかね。
芹澤"REMI"優真 まぁ、ビクター同士だとCD出す時の会社との話もスムースですがね(笑)。

斉藤和義さんは、気のいい近所のお兄ちゃんみたい

――(取材時の1月下旬では)ザッチュノーザだけ先行配信していますね。

宮原"TOYIN"良太 音楽好きのおっさんがすごい好きそうな、気持ちいい感じに仕上がっています(笑)
全員(笑)


SPECIAL OTHERS & 斉藤和義 - 「ザッチュノーザ」
――前作同様、ビッグなアーティストとのコラボアルバムですが、楽曲はどのように作ったのでしょうか?

宮原"TOYIN"良太 今回の楽曲は全部こっち発信ですね。こっちでトラックを作ってコラボアーティストに渡して、「これに歌をのせてください」という感じです。

芹澤"REMI"優真 「歌が先」ということはなかったですね。
宮原"TOYIN"良太 例えば、和義さんの曲に関しては、仮歌で自分が歌っていた曲があって、それを気に入ってくれたみたいで。しかも、「ザッチュノーザ」っていうタイトルも、英語しゃべれないのに英語っぽい気持ちいい歌詞を適当に歌ったのを「ザッチュノーザ、いいじゃん」って和義さんが気に入ってくれて。実際は「ザッチュノーザって英語はあるよ」って言われて、適当に作ったはずなのに“もうけたな”って思いました。

――斉藤和義さんとのエピソードは?
斉藤和義

斉藤和義

芹澤"REMI"優真 和義さんはやっぱり…噂に聴いていた通り、波長が合う。下町感あふれる、近所のお兄ちゃんって感じでした。庶民感覚で自然と仲良くなれて、全然気張ってないし、アーティストぶってないし。すぐ仲良くなりましたね。お互い音楽オタクですから。

RIP SLYMEの肩の力が抜けた感じに憧れる

RIP SLYME

RIP SLYME

――RIP SLYMEはスペアザにとって、なりたい大人No.1と公言していますが、どういうところに憧れるのでしょうか?

芹澤"REMI"優真 美女に囲まれているところ(笑)
宮原"TOYIN"良太 キラキラした感じとか、華やかな大人っていうイメージがあるんですよね。俺たちも大人になったらこうなりたいって思いながら育ち、よく考えたら俺たちもけっこうなおっさんになっていたという。

柳下"DAYO"武史 いいおっさんですよ(笑)。リップさんは僕たちにはないスタイリッシュなオシャレさを持っていて、そこに憧れるよね。

芹澤"REMI"優真 リラックスしてるんだよね。俺のカッコいいと思う大人の特徴はリラックスしているというか、余計な力がはいっていないことなんですよ。「俺が俺が」じゃないところがいいですよね。あのリラックス感は憧れちゃう。どこか必死になっちゃう自分がいて、でもリップを見ると「これくらい肩の力抜いてやっているほうがカッコいいんだ」って思います。

――RIP SLYMEとのコラボ楽曲「始まりはQ(9)CUE」は、春っぽい印象もありましたね。春をイメージしたのでしょうか?

「はじまりはQ(9)CUE」SPECIAL OTHERS & RIP SLYME
宮原"TOYIN"良太 いえまったく。狙わないタイプなんで(笑)
又吉"SEGUN"優也 完璧偶然ですね。
芹澤"REMI"優真 そういわれたら新生活応援ソングに聴こえてきた。
宮原"TOYIN"良太 ぜひ聞いてほしいですね。「引っ越したての方や、入学したての方に、“始まりはQ(9)CUE”」(笑)


「マイルストーン」 SPECIAL OTHERS & 山田将司 (from THE BACK HORN), 菅原卓郎 (from 9mm Parabellum Bullet)
  • 山田将司 (from THE BACK HORN)

    山田将司 (from THE BACK HORN)

  • 菅原卓郎 (from 9mm Parabellum Bullet)

    菅原卓郎 (from 9mm Parabellum Bullet)

宮原"TOYIN"良太 2人のイメージがすごい強かったので、あっという間に出来上がった感じですね。2人の歌が入るイントロを作りたかったので、そのイメージを膨らませていったら、あれよあれよというまに、10分くらいでできちゃったんじゃないかっていう感覚ですね。2人が持つカが我々を導いてくれました。

芹澤"REMI"優真 セッションで作り上げたというよりは、曲の屋台骨ができつつあるときに、そこからのアレンジがスムースに進んだというか。2人のイメージが強いので、迷いがない曲でしたね。
柳下"DAYO"武史 2人の個性があったからこそだよね。


「loop」 SPECIAL OTHERS & GEN (from 04 Limited Sazabys)
GEN (04 Limited Sazabys)

GEN (04 Limited Sazabys)

「マイルストーン」の荒々しい雰囲気とはうって変わり、この曲はGENのハイトーンヴォイスの存在感が際立ち、どこか牧歌的な印象も受けるミディアムテンポナンバーとなっている。
――在日ファンクのハマケンさんの曲「かませ犬」は男らしいのか、ギャグなのか、男の悲哀なのか…。いろいろと衝撃的でした。
浜野謙太(在日ファンク)

浜野謙太(在日ファンク)

宮原"TOYIN"良太 多分そのすべてです(笑)
芹澤"REMI"優真 この歌詞は、曲を作る前にハマケンさんとみんなで飲んだんですよ。お互い半ばグチのような「俺らってかませ犬だよな」って、話をしていたんです。「おじさんという歳でもないけれど、おじさんでもある」この世代ならではの哀愁を表現したんだと思います。

「かませ犬」 SPECIAL OTHERS & 浜野謙太 (from 在日ファンク)
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