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初めてのオーダーメイド 後編 〜店舗体験リポート〜
今回記者が選んだものは生地が決まっている特殊なタイプだったが、通常の型のモデルであれば、生地選びも可能だ。そうして基礎を決めたら、デザインや細部の調整に移る。次の流れで細かく進んでいく。
スリムフィットか、スタンダード。圧倒的にスリムフィットが人気だそうだ。
「ジャケットボタン」
1つボタン、2つボタン、3つボタン(段返り)、ダブルブレスト
ベーシックなノッチド、ドレッシーなピークドから選ぶ。今回はノッチドスリムに。
センターベントはスッキリとしたシルエット、サイドベンツはより動きやすく生地のつっぱりが軽減。今回はカジュアルな使い方をするので、サイドベンツにする。
斜めにポケット口が付くスランテッドはスタイリッシュな印象に。パッチポケットはよりカジュアルになり、チェンジポケットはエレガントな大人の雰囲気を醸し出す。
無地、ペイズリー、ストライプ…17種類前後から選べる。裏地は基本的に表の生地と同系色にするのが好ましい。ベージュ―の生地の裏地がブラックだと光が当たった時に色が変わって見えることもあるそう。
オプションでさらに細かい部分を設定していく。ハンドステッチの有無、ボタンの材質、ボタンホールの色、夏用の背抜き加工(裏地なし)…その中でも大事なポイントは「袖口のボタン」だ。
「本切羽」とは袖口のボタンが「飾りボタン」ではなく、実際のボタンを付けるという加工だ。市販品スーツの袖口はサイズ調整で裁断することもあるので飾りボタンであることが多いが、オーダーメイドはサイズを合わせて作るので本当のボタンを付けることができるのだ。サッと袖口のボタンを外して手を洗う、この動きが自然にできるとカッコいいという人もいる。
「本切羽は“オーダーメイドの証”ともいえます。袖口のボタンを一つ外して着るというのも粋だとされています。電車でつり革を掴むスーツの男性の袖口を見て『あ、この人オーダーメイドだ』って思いますね」(谷崎さん)。
初めてのオーダーメイド・着用リポート
今回は第一作目のオーダーとして自分なりの“お好み”を追求し、満足のいく仕上がりだった。しかし、「もう少し襟回りに余裕があってもよいかもしれない」「丈がもう少し長いものもほしい」とという風に、『次作るなら』という“欲”も出てきた。2着目は1着目とはまた違った視点でオーダーメイドをしてみたい、そういう風に、「楽しんで作って着られるもの」だということが実感できた。
(取材・文 / 加藤由盛)
(撮影 / Taku katayama)