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(更新: ORICON NEWS

初めてのオーダーメイド 後編 〜店舗体験リポート〜

5、6、7 生地選び、細部の設定、完成まで
今回記者が選んだものは生地が決まっている特殊なタイプだったが、通常の型のモデルであれば、生地選びも可能だ。そうして基礎を決めたら、デザインや細部の調整に移る。次の流れで細かく進んでいく。
「フィット感」
スリムフィットか、スタンダード。圧倒的にスリムフィットが人気だそうだ。


「ジャケットボタン」
1つボタン、2つボタン、3つボタン(段返り)、ダブルブレスト

「ラペル(襟)」
ベーシックなノッチド、ドレッシーなピークドから選ぶ。今回はノッチドスリムに。

「ベント」
センターベントはスッキリとしたシルエット、サイドベンツはより動きやすく生地のつっぱりが軽減。今回はカジュアルな使い方をするので、サイドベンツにする。

「ポケット」
斜めにポケット口が付くスランテッドはスタイリッシュな印象に。パッチポケットはよりカジュアルになり、チェンジポケットはエレガントな大人の雰囲気を醸し出す。

「ジャケット裏地」
無地、ペイズリー、ストライプ…17種類前後から選べる。裏地は基本的に表の生地と同系色にするのが好ましい。ベージュ―の生地の裏地がブラックだと光が当たった時に色が変わって見えることもあるそう。



オプションでさらに細かい部分を設定していく。ハンドステッチの有無、ボタンの材質、ボタンホールの色、夏用の背抜き加工(裏地なし)…その中でも大事なポイントは「袖口のボタン」だ。

オーダーメイドスーツでは「本切羽」加工を推奨する。
「本切羽」とは袖口のボタンが「飾りボタン」ではなく、実際のボタンを付けるという加工だ。市販品スーツの袖口はサイズ調整で裁断することもあるので飾りボタンであることが多いが、オーダーメイドはサイズを合わせて作るので本当のボタンを付けることができるのだ。サッと袖口のボタンを外して手を洗う、この動きが自然にできるとカッコいいという人もいる。

「本切羽は“オーダーメイドの証”ともいえます。袖口のボタンを一つ外して着るというのも粋だとされています。電車でつり革を掴むスーツの男性の袖口を見て『あ、この人オーダーメイドだ』って思いますね」(谷崎さん)。
そして注文が完了。完成まで1カ月かかるが、待っている間も楽しく、すでに愛着もひとしお。ここまで細かいポイントで“自分の体と好み”に合わせて作った洋服は、自分らしさが詰まっているはず。

初めてのオーダーメイド・着用リポート

  • 専用のボックス内に、ガーメントハンガーと一緒に入っていた。

    専用のボックス内に、ガーメントハンガーと一緒に入っていた。

そして、約1カ月後、待ちに待ったオーダーメイドジャケットが届いた。指定の場所に配達される。今回は自宅で受け取りにしたので、店舗まで取りに行く手間もなく、便利だ。

早速着用してみる。既製品のスーツ・ジャケットでは、背中の肩甲骨回りがきつく感じることが多かったが、今回はまさにジャストフィット。スリムフィットタイプながらも、苦しさは感じられなかった。

背中もへんなシワが寄る事もなく、見た目のパツパツ感もない。余裕があるような印象を受ける。

総裏地はグレーのペイズリー柄に。裏地の質感により、ジャケットを着る時に“すべり”が良く感じられた。

オーダージャケットらしく、早速本切羽のボタンを外してみた。

コットンのジャケットらしく、着ていくうちに、自然な味が出てきそうだ。

今回は第一作目のオーダーとして自分なりの“お好み”を追求し、満足のいく仕上がりだった。しかし、「もう少し襟回りに余裕があってもよいかもしれない」「丈がもう少し長いものもほしい」とという風に、『次作るなら』という“欲”も出てきた。2着目は1着目とはまた違った視点でオーダーメイドをしてみたい、そういう風に、「楽しんで作って着られるもの」だということが実感できた。

(取材・文 / 加藤由盛)
(撮影 / Taku katayama)

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