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(更新: ORICON NEWS

ボクシングWBA世界フライ級王者 井岡一翔流メンタル&フィジカルトレーニング

日本ボクシング史上初のWBA・WBC世界統一王者であり、三階級制覇の偉業を成し遂げた井岡一翔選手。名実ともに“世界で一番強い男”に、体と心のトレーニング方法を聞いた。
Profile
現WBA世界フライ級王者
井岡一翔

井岡ボクシングジム所属。プロデビューから6連勝で無敗のまま2010年に第33代日本ライトフライ級王者に輝き、その後世界挑戦のため日本タイトルを返上。国内史上最速記録となる7戦目での世界王座奪取を果たし、平成生まれの選手として初の世界王者となった。また、WBC・WBA日本人初の統一王者に。2012年12月に11戦目で日本人最速の二階級制覇を達成。2015年4月には世界最速での三階級制覇を達成。計10回の世界王者防衛を経験。ボクシング界をけん引するスター選手として注目を集めている。著書に『今をブレない』(講談社)がある。

大事なのは、目標の設定。トレーニングはなりたい自分に近づくためのもの

身体的にストイックな競技であるボクシング。世界を獲った井岡選手はどのように自分を磨いているのか。まずは好きなトレーニングについて聞いてみた。

「好きなトレーニングは、トレーナーとするミット打ちです。一通りの流れの中でできるトレーニングで達成感もあるし、その中でもキツいので充実感もある。ボクシングは鏡と向き合ったり、サンドバックだったり一人で行うトレーニングが多いんですがスパーリングやミット打ちは相手がいるものなので、自分で一人でコツコツやっていることがそこで出せた時には達成感がありますね。

僕がやりたくなるトレーニングは相手がいるもの。ボクシングそのものが対戦相手がいるものですから。キツい練習、減量ももちろんあって、苦手だったり嫌いなトレーニングも実はあります。でも、やりたくないなって思っても、最終的に自分と自問自答し、勝つために必要なトレーニングであれば、必然です。嫌いなトレーニングだったとしても、強くなるために“本当は自分がやりたいと思っている”ということを僕は知っています」

「何が難しいかというと、やっぱり“続ける事”なんですよね。続けているっていう意識より、やりたいことをやっているって思えればいいんです。続けられないことを続けようとするのはものすごいエネルギーがいる。のしかかってくる重圧もすごい。やめてしまった時には、“自分が決めたことをやらなくなる”というストレスも生まれますよね。自分が「好きだ」「やりたいんだ」というものを、続けるのではなくて結果として「続いてた」と思えるといいのではないでしょうか。

ちょっとした言葉の違いや気持ちの持ちようでまったく異なってきます。例えば、「腹筋をやる」ではなく、「ちょっと気持ちを切り替えたい時に腹筋をやってる」と考えるといいと思います。何をするにも一歩踏み出す勇気が大切。無理することなく「やってた」が実現すれば、いずれそれが当たり前になってきますよ」

トレーニングでも“本質”を考える

30代の男が体を引き締めるためにするトレーニングについて具体的なアドバイスをもらった。男の憧れであるボクサーの腹筋。色々なやり方があるが、井岡流のやり方とは。

「僕の腹筋トレーニングは、腹筋台を使わずに、リングから上半身をはみ出して地面が無い、上半身が空中の状態でバランスを取りながらやっています。僕はプロボクサーなので、表面的な筋肉をつけてもダメ。ボディを打たれるから、リアルに戦える腹筋が必要なんですね。体の“芯”の腹筋を鍛えるために、考えてこういうやり方をしています」

「世の男性におすすめするなら腹筋運動ならやっぱり“ひねり”をいれることですね。ひねりながら腹筋するとねじった分反対側が伸びます。お腹を引き締めたいなら、サイドを引き締めると男らしく見えますよ。勢いをつけて上体を完全に起こすのではなく、行き過ぎない45度くらいの一番キツい範囲でやるといいですよ。ボクサーの体がカッコいいと言われるのは、広背筋があるからだと思います。前だけ筋肉が分厚いのはかっこ悪い。広背筋があって、背中がデカいほうが男らしいと思います。ボクサーはサンドバックを打って鍛えています」

腹筋だけ頑張るのではなく、ゴールは“体を引き締めること”であれば、完成図をイメージして前後バランスまでも考えていくべき。井岡流トレーニングのコツは、メソッド一つ一つに本質を考えていることだ。

読者へメッセージ 人生を楽しむコツは「気づき」

2月に行われたADIDAS TRAININGの発表会に登壇しトレーニングについて語った井岡選手。

2月に行われたADIDAS TRAININGの発表会に登壇しトレーニングについて語った井岡選手。

日本のボクシング史上、前人未踏の偉業を成し遂げた井岡選手。本質を捉える考え方は、トレーニングだけでなくライフスタイルにも生かされていた。

「人間は慣れていく生き物です。例えば、毎日ごはんを食べることも当たり前になってしまいますよね。でも、なんのために食べているのかとか、どうおいしいとか、何が楽しいか、うれしいか、そういったことに敏感になって、“気づく”ことで人生の嬉しさや幸せが分かると思っています。そうすると、感謝の気持ちにも気づくはず。すごく良いエネルギーを得ることにつながっています」

ボクシングの頂点を極めた井岡選手。ボクサーとして、男としてのこれからの目標とは。

「まず、ボクシングをやっている限り競技の魅力を伝えていきたい。その中で井岡という人物は同性に尊敬される、年齢問わずリスペクトしてもらえるような男でありたいです。ボクシングでは具体的な目標は設けずに、目の前のことに全力で取り組んでいます。30代になっても先駆者でありたいと思います。行けるところまで行くしかない、そういう思いでこれからもボクシングに取り組みます」

(取材・文 / 加藤由盛)
(写真 / Bang juneheok)
Information
NEW ADIDAS TRAINING

2017年春夏シーズンより、「NEVER DONE 〜夢中に、敵うものなんてない。〜」を メッセージに掲げ、新ラインナップを展開。ヨガ、ファンクショナルトレーニングなどスポーツとしてのトレーニング、スポーツのためのトレーニング両方に活用できる高機能ウェアM4Tを発表。井岡選手が着用しているアウター(M4T トレーニングモビリティスネークカモウーブンジャケット 8690円)もその一部。

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