OLIVER

自転車で冒険に出よう。キャンプツーリング紀行 inアラスカ【Part4 夏の終わり編】

PLAY
03 荒野から街へ
アンカレッジが近づくにつれ車の交通量が増えていく。これまでずっと見てきた静かな原野の風景がいつの間にか賑やかな街に変わり、道路は4車線に広がって自転車のすぐ横を猛スピードで車が追い越していく。

高速道路の路肩を走っているようで、あまり気持ちのいいものではない。道路脇のマイルポストを見ると40マイルの表示がある。アンカレッジまで約64kmだ。このときマイルポスト0をゴールに決めた。ゆっくりとペダルを回し、数字を刻んでいく。

朝からずっと厚い雲に覆われていた空は、夕方になってようやく晴れ間を見せた。
マイルポスト0地点には小さなモニュメントが立っていた。

旅の終わりというのは、けっこうあっさりしたものだ。喜びや感激などはたいしてわかない。“終わった”というホッとした気持ちと、ささやかな達成感があるだけだ。疲れが一気に出てヨレヨレになってしまうから、それ以上思考が回らないのかもしれない。

自分の力を出し切って自由に旅した日々は、日本に帰って時間がたってからひしひしと感慨深くなる。何気なく空を見上げたときにふと思い出したりするのだ。
アンカレッジに戻ってきたのは、そこを出発してから18日目。1614kmの旅だった。

アラスカの短い夏は終わりに近づき、午後11時には灯りなしでは本が読めなくなっていた。
おわり
(文・写真/和田 義弥)
タグ
  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Pinterest

ARTICLES関連記事