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人と一緒”に飽きた人必見 “C級スニーカー”のすすめ コレクター永井ミキジ【男のコレクション】

FASHION

“ズラシ”ポイントに個性が光る、“○○風”スニーカーの知られざる世界
“C級スニーカー”に含まれるもうひとつのジャンルが、メジャーブランドの人気モデル“風”で、デザインやロゴがさりげなく違う、通称“ブート”スニーカー。そこに面白さを見出した永井さん。長年見てきたがゆえの、実は奥深い世界を教えてくれた。
本物が100なら80。はたまた140を狙ってくる絶妙さ

本物とまったく同じものは、サンプルがあれば技術的にも作れる。けど、それを怒られないようにあえて、下か上かに“ズラシ”てくるのが、作り手のセンスの見せ所だという。

「ソールの模様まですべて同じものもあるし、あえてソールだけ他のブランドの模様を付けていることもある。多いのはデザインを少し変えているものですね」。
こちらは人気スニーカーの定番中の定番、コンバースの“オールスター”。と思いきや、よく見ると星の中にもうひとつ星が入り、ベロには“TWO STAR(ツースター)”と入っている。

町の中華屋の店名によくある『十番』とか『一番』じゃないけど、51スター(星条旗の星の数)まであるなと踏んで調べたら、“ファイブスター”まで存在するのはわかって(笑)。僕が持っているのは“スリースター”までですね(笑)。僕が“セブンスター”を履いていたらおもしろくないですか?『あいつ、北斗の拳が好きなのかな』って思われそう(笑)」
こちらは“JAZZ STAR”。コンバースの“ALL STAR”の“LL”の部分が“ZZ”にさりげなく変えられていて、それをもじっている。

「これを見つけたとき、そこにあった20足を全部買いました。“ズラシ”方がしゃれていますよね(笑)」と嬉しそう。「大人数の飲み会に履いて行って、誰かが履いてきた本物とわざと履き替えて帰ったこともあります。僕から言うまで気づいていませんでしたよ(笑)」。もちろん、後からちゃんとお返ししたそう。


おじいちゃんが知らずに履いている、“ブート”が粋


もっと緻密な“ズラシ”もあるそうで、「巣鴨の居酒屋で飲んでいたら、隣に座って一人で静かに飲んでいるおじいちゃんがコンバースの“ワンスター”を履いていたんです。でも、よくよく見たら星の位置がくるぶしの下ぐらいにあるんですよ(笑)。本来はもう少し前に付いていますよね。それを見たら欲しくなっちゃって、絶対に巣鴨で売っているはず!と思い、巣鴨中を探しました(笑)。残念ながら見つかりませんでしたけど」。

コレクターの永井さんにしか気づけないような芸当。日頃から、「人に会うと、顔の次には必ずスニーカーに目がいきます」だそう。

自分がおじいちゃんになったとき、きっとその頃のファッション事情がわからないから、知らずに“ブート”商品を履いたりするんでしょうね、きっと。そのとき、粋に履きこなしたいじゃないですか(笑)」。

“言い値が買い値”。足元を見られても欲しいものは買う!

先述の“ツースター”は、履いている人を見つけて、なんとその場で脱いで売ってもらったそう。「無理にお願いしたので、値段を上げられちゃいました(笑)。どうしても欲しかったので」。メジャーな市場ではない分、決まった相場はない。値段は売り手と買い手の交渉次第。その場の流れで決まるというのも、おもしろいところ。


多種多様なアイテムが存在する“ブート”スニーカー。

「大胆で笑えるような“大味”で攻める作り手と、とことんさりげない“小味”で攻める作り手と、国ごとに傾向があるんです。その国のユーモアというかセンスが問われますよね。日本は、『技術の高さを見せつけてくるな〜』という傾向があります(笑)」
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