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長渕剛5年3カ月ぶりのアルバム「BLACK TRAIN」から見る“熱さ”の源とは

CULTURE

長渕剛の楽曲の熱さの源は「僕とあなた」

――金至上主義、音楽業界の退廃への警鐘…メッセージ性の強い曲もあり、人の普遍的な営みを歌った曲もありました。「誰が何と言おうと関係ない、俺にとってはこうなんだ!」そう言えるやつが音楽を作っていくべきだ、とおっしゃていたのが印象的です。

たとえば、我々記者の世界では、書かないと生きていけないという人がいます。話すのはからきしだけれど、ペンを走らせると誰よりも想いが載ってくる、というような人も。長渕さんも、歌わざるを得ない方なのだろうと思います。長渕さんにとっては音楽とは? メッセージの源になっているものは一体何でしょうか?

「時代は額縁。時代は移り変わっていくもので。人間ってのは、時代や相対する人を通さないと自分を見つめることができないわけですよ。時代の変遷とともに、自分がどのような人間であるかって、常に表現者は考えている。この時代に生きていて、『冗談じゃないよ!』っていうことから、『切なくてお前を大好きなんだよ』『なぜお前は死んでしまったのか』『なぜ君は同じように泣かないのか』…日々生きている人たちは想いをたくさん抱えている。その時代の中に、どんどん自分が切り込んでいく生き方っていうのかな。メロディーや鋭角的な詩を矢として”放っていく”、”差し込んでいく”覚悟を持っているわけ。それが結果的にラブソングに特化されたり、メッセージ性が強いと言われる楽曲になることもある。常に、僕とあなたという時代の中にいる関係性の中に、歌を放って行ったときに、『どうなんだよ?』っていうその答えを話し合っていきたいというスタンスなんだよね。僕はね」
――人間が営む日々の生活を含めた「現代社会という水面」に、「長渕剛の歌という“石”」を投げ入れる。そしてどんな波紋が生まれるのかを見ている、なんでその波紋が生まれたのかを探っていく…というような感覚でしょうか。

「僕もそういう表現を使うことがあるんだ。水面は世の常、世の中の大きな…不特定多数のようなもの。インターネットに音楽を配信したら、誰が聴いているのか分からない、というようなことだと思うんだけれど、僕にとっては、音楽は確実に【僕とあなた】なんですよ。『お前』とか『君に問う』『君に歌う』…”どうだい?”っていうスタンスですね」

――なるほど。結果的には音楽は何万人に届いているが、長渕さんにとっては、何万人とは関係なく、そこの先にいる一人に届けられればいいと思っているんですね?

「そう。『君と僕』。常にその関係性は昔から変わらないね」

ライブの熱狂も他のアーティストとは一線を画すことで知られる長渕剛。ファンに向けた歌ではない、“お前”に向けた歌だから、熱さをもってリアルにリスナーに届く。伝説の富士山麓10万人オールナイトライブも「10万人の観客VS長渕剛一人」ではく「1対1のタイマンを10万人分」という表現が正しいのかもしれない。

その、伝説のオールナイトライブと同じ2017年8月22日に、日本武道館で一夜限りのプレミアムライブを行う。“変わらずに進化した”長渕剛が再び、音楽の聖地で拳を突き上げる。
後編は、長渕剛個人としての歌への想い、そこに込めるメッセージ性についてさらに深く迫る。


(取材・文 / 加藤由盛)
(写真 /RYUGO SAITO)
8月16日リリース 長渕剛『BLACK TRAIN』(左:初回限定盤、右:通常盤)

8月16日リリース 長渕剛『BLACK TRAIN』(左:初回限定盤、右:通常盤)

information
長渕剛 『BLACK TRAIN』 
8月16日リリース

初回限定盤 4320円(本人作画イラスト・デジパック仕様、メイキング&インタビューDVD付属)
通常盤 3240円

<収録曲>
M1 Black Train
M2 嘆きのコーヒーサイフォン
M3 Loser
M4 かあちゃんの歌
M5 マジヤベエ!
M6 ガーベラ2017
M7 愛こそすべて
M8 自分のために
M9 誰かがこの僕を
M10 Can you hear me?
長渕剛WEB動画インタビュー
ニューアルバム『BLACK TRAIN』より熱きメッセージを届ける!!
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