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役所広司「人と関われることは“喜び”」

CULTURE
国内での俳優としてのキャリアはもちろん、『SAYURI』や『バベル』など海外の作品でも活躍中の役所広司。9月9日公開となる最新出演作の映画『三度目の殺人』では念願だったという是枝裕和監督とタッグを組み、得体の知れない不気味な容疑者・三隅を演じている。役所にとって今作の役柄はどのようなチャレンジになったのか、また役者を続ける上でモチベーションとなっているものは何か、現在の心境を聞いた。

心に闇を抱えた殺人犯を演じて

今作で役所が演じた三隅という男は、解雇された食品加工工場の社長を殺し、30年前にも強盗殺人の前科を持つ容疑者である。死刑はほぼ確実の三隅をなんとか無期懲役に持っていこうと、福山雅治演じる弁護士の重盛は奔走する。ところが接見室で三隅と面会するたびに供述が二転三転していき、重盛は弁護士としての在り方を問われ、不要だと思っていた“真実”を求めていくことになる。そんな中、遂に裁判が幕を開ける。役所はとても闇の深い三隅という役をどのように演じたのだろうか。
「誰かを憎く思っても、殺すことができてしまう人間と、そうじゃない人間がいます。三隅は人を殺すことができる人間。一見すると社会性を持った人に見えますが、ぬけぬけと嘘をつく一面も持っている。そして自分がついた嘘を真実だと思い込んでしゃべっているようなところもあるんです。それに飼っていた鳥でさえも自分がいなくなってしまった後のことを考えて、逃がすのではなく握りつぶして殺してしまいますから、やはりどこか普通の人間とは違うんですよね。もともと本質的にそういうものを持っていたのか、社会が生んだ怪物のように自然とそういう人格になってしまったのか。どちらにせよ凄く怖いことだなと思いますし、普通の人間ではない、そんな風に解釈しながら演じていました」
今作の監督を務めたのは『そして父になる』や『海街diary』を手掛けた是枝裕和。役所は、「デビュー作『幻の光』から彼の作品が好きでした。今作でようやくお仕事でご一緒することができました」と嬉しそうに語った。今作の現場では是枝監督の粘り強さを感じた、という。
「アングルを探ったり色んなことを試される監督で、テイク数も多いのでキャストやスタッフが少しずつくたびれていって…(笑)。でも、それが不思議と嫌なくたびれ方ではないんです。是枝さんが満足するまで撮ろうという覚悟をスタッフからも感じましたし、キャストも是枝さんが撮りたいならもう少し頑張ろうとか、きっと何かが足りないんだろうと自分達に言い聞かせて何度もチャレンジしていました。それは今まで多くの経験を積んできた是枝さんの持つ力だと思います」
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