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北野武「人のせいにするな、あらゆる責任は自分が負え」
北野武が考える、男の闘い
「ヤクザの世界の話っていっても、拳銃と暴力を除いてしまえば一般実社会の話になるんだよね。裏切りとか、いきなりとんでもない奴がコネでやってきたり、ちゃんとやってきた奴が理不尽に外されたり…。1本目は分かりやすいヤクザらしい話。2本目は人間関係。3本目は、完全に社会や組織のゆがんだ形の話。実際日本でもよくあることだよね。意識して作ったわけではないけど、そういうストーリーになった。しょせんヤクザも一般実社会と同じなんだってね」
“男たちの闘い”を描いた「アウトレイジ」シリーズだが、北野監督自身が闘っているものは何か問いかけてみた。
「“みなさんのために私はこういうカタチを壊してやります”っていう気はさらさらないけど、自分のために壊していきたいってことだよね。そういうのは自分で勝ち取るものだから。これからも映画の作り方が少しずつ変わっていって、いい映画界になることを期待してるよ」
“当たり前のこと”をやっているだけ、それが創作活動につながっている
「まぁ、泳いでいる魚に「偉いね」って褒める奴はいないよ。努力しているわけじゃないけど、ただ“サメみたいに泳ぐのをやめたら死ぬ”みたいなもんだ。でも無理して泳いでいるわけでもない。若い奴と話してるといつの間にかお笑いのネタの話になってるし、家に帰って映画の脚本書こうかなって思うとタイトルだけ書いて終わる日もある。昨日も昔書いたヤクザの話を探しててさ、ノート3冊くらいある話なんだけど、それがやっと出てきて、読んで笑ってたけどね。コレ面白えや、小説にするかなんつって、1人で考えたりしていたよ。
王貞治さんも長嶋茂雄さんも夜中にバット振っていて、それがすごいって言われていたけど、本人は「バット振らなきゃ寝られねえんだよ」ってくらいのもんなんだよね。例えばさ、徹夜するくらい麻雀が好きな奴は“徹夜で麻雀やれるような仕事”を見つければいいんだよ」