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(更新: ORICON NEWS

北野武「人のせいにするな、あらゆる責任は自分が負え」

「いつでもくたばってやる」

創作活動やアイデア出しは、意識してやっているわけではない。日々当たり前のこととして捉えている。そのエネルギーの源はやはり、自分が楽しいと思う事だからなのだろうか

「まぁ、“楽しい”にもいろいろあるよ。サウナも入っている時は苦しいけど、出た時は涼しくて気持ちいい。重量挙げもマラソンも楽しいかって聞かれたら「苦しい」って答えるけど、後から考えたら楽しいなってこともある。“苦しい楽しさ”もあるんだよね」

そんな北野武にとっての楽しいこととは? 

「楽しく生きるってのはどうも実感がない。分かんねえんだ。一番楽しいのはきっと、くたばる時だと思ってるんだ。死ぬときが一番楽しい。この世に生まれて生きていることは、かなり苦痛だし、罰だと思ってる。“誰よりも楽しく生きてるように見える”なんて言われても、それはヤケクソで、「いつでもくたばってやるぜ」って思っていからね。まぁ、人それぞれだけど、楽しく生きるって考え方は、俺はずうずうしいことだと思ってる。生きていく事は苦しいことで、おまけとして楽しいことがたまにある。ただ、普通に生活している中で苦しい苦しいなんていちいち思ってないけどね」

読者へメッセージ「人のせいにするな」

北野武が30〜40代の頃はどんな男だったのだろうか。働き盛りの男たちへの激励メッセージをもらった。

「30代・40代の男ってのは、それこそ差がついてくる頃なのかな。勝ち負けが分かってくるような世代なんだろうな。その世代の男達へのメッセージは、「あらゆる責任は自分が負うもの、人のせいにしない」ってことだろうね。自分がツイてないと嘆くんじゃなくて、それは実力がないってことだよ。「僕はどうして何をやってもダメなんでしょうか」って手紙が来ることもあるけど、「お前が悪いからじゃねえか」って思う。俺らは芸人だから「漫才してても売れないんです」「お前が下手だからだろ」、それで終わり。チャンスが無いとかいろいろ言う奴もいるんだけど、チャンスを掴むのだって実力だよ」

“実力”をつけるためにどのような努力をしてきたのか問うと…。

「努力しているって、自分で感じているうちはダメだと思うよ。人から“よく努力していますね”って言われても「馬鹿なこと言うなよ」って思っちゃうよね。自分では努力しているとはまったく思ってないんだから。後から考えりゃ、漫才のノートはいつも持ち歩いて何かあるとすぐ書き込んでたし、それを人が見りゃ努力に見えるかもしれない。でも、ごはん食べたり水飲むのと同じようにギャグを考えていただけだ。それを努力というのはおかしな話でね。今の若手はそれもせずに「どうして…」っていうから。言葉としては「努力しろよ」って言う場合もあるけど、それは努力じゃなくて“当たり前のこと”をやっていないだけなんだよね」

(取材・文 / 加藤由盛)
(写真 / RYUGO SAITO)
Information
『アウトレイジ 最終章』
10月7日(土)公開

監督・脚本:北野武
出演:ビートたけし、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、大杉漣、塩見三省、白竜、名高達男、光石研、原田泰造、池内博之、津田寛治、金田時男、中村育二、岸部一徳
オフィシャルサイト:http://outrage-movie.jp/
(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会

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