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人生を楽しむためのヒント 俳優・三浦友和

CULTURE
さまざまな分野で活躍する大人の男の「こだわり」に迫る連載企画。日本の映画を語る上で外せないベテラン俳優・三浦友和。仕事論とプライベートの話から出てきた言葉は、「愛」と「自己分析」だった。三浦友和の「人生を楽しむためのこだわり」とは――。

陶芸は、子供の頃に好きだったものが全部詰まっている

「趣味は、挫折している(笑)。実は、陶芸を20年前くらいからやってます。40歳を過ぎてから始めたことで、それまではまったく無趣味な人間でした。とあるきっかけで、友人と工房を建てて、釜を作って、本格的にやっています。年に1回くらいは焼こうか、って話しているんですが…今年はできるかなぁ。本当に体力的に大変なので、やりたくても一生は続けられないかも。薪割が大変。工房は山にあるので、取り掛かる前には、草刈りもします。ものすごい労力がいるんですよ。工房を維持するだけでも困難です」

そこまで困難なことを、40年間無趣味だった男が没頭するまでに至った「陶芸」の魅力とは何だろうか。

「陶芸は、子どもの頃好きだった事が全部入っているんです。水引は“水あそび”、ろくろは“泥遊び”、焼成は“火遊び”。その中でも、一番惹かれたのは“火”です。1000度以上の火はすごいの一言。見ていると頭の中がカラッポになる。3日間続けて焼きますが、寝不足で作業をしていても、その瞬間は何かが覚醒する感覚があるくらいすごいものです」

本能に訴えかける遊びであり原体験、それが三浦にとっての陶芸だ。なかでも、一番の魅力は「無になれる瞬間」だという。

「全部をとっぱらって、それしか考えられない。火だけしか見てないってのはやった人にしかわからないヘンな時間だと思います。俳優もどこかで役に入って無になる瞬間がある。そこにスッとはいっていけたらベスト。なかなかそこまでは行くのは難しいんですがね」

日々いろいろ考えていることから解放されて、無になる瞬間。そこには、どこまでも純粋に三浦友和個人が存在するのみだ。自分と向き合う行為を大切にしていた。
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