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『夏の夜は宙(そら)を見よう』 02 魅惑の宙(そら)の愉しみ方

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夏は夜風が気持ちのいい季節。キャンプやフェスで、家の庭やバルコニーで、久しぶりに帰る実家で、旅行先で、外で涼みながら、のんびり過ごすのもいい。そんなときは、ついでに星空観望してみるのはいかがだろう。ただただ満天の星を眺めるのもいいし、天体を観て宇宙の神秘に思いを馳せるのもいい。

ここでは、天文望遠鏡製作のプロ・大沼崇氏に、「目で愉しむ」、「双眼鏡で愉しむ」、「望遠鏡で愉しむ」、3つのそれぞれの魅力とテクニックを聞いた。自分に合った愉しみ方を見つけて、この夏の遊びのひとつに加えてみては。
Topics
Chapter01:まずは自分の目で愉しむ(P1)
Chapter02:双眼鏡で近傍宇宙を愉しむ(P2)
Chapter03:望遠鏡の失敗しない選び方(P3)
Chapter01
まずは、やっぱり自分の目で愉しむ
星空を愉しむ上で一番大切なのは、「普段は見られない満天の星に出会ったら、難しいことを考えずに、ただただ『キレイだな』と思いながら眺めてほしい。星の光を自分の目で感じてほしいですね」と大沼さん。そのために押さえておきたい基本と、より楽しくなる星座の見方、便利アイテムを紹介。
目で愉しむために知っておきたい基本のキ
Point01 星が見えるまで、最低10分!
暗がりで星を見ようと思ったら、最低でも10分は我慢が必要。「外に出てパッと空を見上げても星は見えません。そこで『なんだ、あまり出てないな』と諦めてしまうのはもったいない。目が暗闇に順応するまで、最低でも10分は必要なんです」。完全に順応するには30分もかかるとか。「じっと待っていると、それまで見えなかった小さな星まで次々と見えてきて、感動しますよ」。
Point02 狙い目は新月の前後5日間
キレイな星空を見るには、月の満ち欠けも重要。「田舎で満月の日に星空を見ても、極端な話、横浜で見る星空とあまり変わりません。月の明かりって、ものすごく明るいんです」。満月の前後5日間は星空観望には不向き。反対に、もっとも狙い目なのは、新月の前後5日間。カレンダーや新聞に月齢が載っているから、チェックしてみて。

「僕は新婚旅行でオーストラリアに行くとき、新月を狙いました。そのために、結婚式などの日程は、すべてそこから逆算して組みました(笑)」というほどのこだわりよう。
より愉しさが広がる、星座の見つけ方3つ
満天の星をただぼーっと眺めているだけでも、十分愉しい。その上で、さらに星座を知ると愉しみの幅が広がる。と言っても数多ある星、どこから手を付けたらいいかわからない。そんな人にはこちらの3つの方法がおすすめ。
01 知っている星座からとなりの星座をたどっていく
誰でもひとつやふたつの星座は知っているはず。オリオン座や北斗七星など、自分が知っている星座や星の並びがあれば、そこを基点に見ていくという、もっともスタンダードなやり方。「オリオン座を知っていたら、その隣りの星座、さらにその隣り、というように、星を辿りながらバリエーションを増やしていくのがおすすめです。わかるようになるととても楽しいですよ」。
02 図版を持ち歩く
星空を長年楽しんでいる人でも、春夏秋冬、すべての星座を知っている人はなかなかいない。なにしろ星座は、全天に88種類もあるから。そこで、星座のガイドブックや入門書を手に入れて、季節ごとの星座の図版を参考にするのがいい。「知っている星座のところに図版を重ねるようにして見れば、他の星座の場所もわかります」。上の図版は大沼さんの力作。インターネットに掲載されているガイド図版を活用するのもよいだろう。
03 文明の力に頼る、便利アプリ
現代ならではの便利アイテムが、スマートフォン専用アプリ。大沼さんも愛用しているおすすめは、アンドロイド版はGoogle Playの『GOOGLE Sky Map』、iOS版は『星座表』など。いずれも無料でダウンロードでき、GPS機能による現在地、コンパス、傾きセンサーを使い、画面を向けた方向にある星座を表示してくれる。なんとも画期的で便利なツール。
Column
星座早見盤は、実は難しい
学校の授業でも使う、星座を見るときにおなじみの星座早見盤。大沼さんによると、星座早見盤は星座をすでに知っている人が、どの位置に見えるか知るために使うもので、星座を知らない人が星座を見つけるのにはとても不向きなのだとか。「世界地図でもそうですが、球体を平面に印刷すると端にいくほど歪みがでます。その歪みが、実際に目で見たときとは違うので、初心者には見つけにくいんです」。
星空ビギナーの強い味方
どうしても難しく専門的になりがちな天体観測系の書籍。その中で、大沼さんが「ここまで読みやすくて敷居の低い本はなかなかない」と、愛読しているのがこちら。かわいいイラストで子ども向けのようだが、星の種類や見方、天文学的な知識、全国のプラネタリウムや天文台がわかりやすく紹介してあり、中学生から大人まで楽しめる内容。著者は国立大学理学部地球学科卒業の“リケジョ”イラストレーター。
『今夜、星を見に行こう』由女著(イースト・プレス)
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