OLIVER

ORANGE RANGEインタビュー 無駄を削ぎ落とし磨かれる「個性」

CULTURE
今年結成15周年を迎えたORANGE RANGE。沖縄をベースに活動し続けてきた彼らだが、スタンスは変わらずとも、20代から30代へと年月は巡った。30代を迎えた今、大人の男として、生き方に変化はあったのだろうか。NAOTO(Gt)、YOH(Bas)、YAMATO(Vox)の3人に話を聞いた。

LIFE >>>「沖縄だと余裕が持てるような感覚がある」

 彼らに話を聞く機会を得たのは8月27日、FOREST STAGEのトリを飾った夏フェス・SWEET LOVE SHOWERの現場だった。あいにくの雨空にもかかわらず、ステージの照明がきらびやかさを増してきた18時すぎには、足元がぬかるむ中でもステージ前に続々と観客が集まり始めた。ライブがスタートし、RYO(Vox)が沖縄の手踊り・カチャーシーを求めると、オーディエンスのテンションは一気に上り詰めていく――。ORANGE RANGEを語るうえで、欠かせないキーワードが“沖縄”だ。単に彼らが沖縄出身というだけでなく、デビューしてから今まで、ORANGE RANGEは活動拠点を東京には移さず、生まれ育った沖縄にこだわり続けている。
YAMATO心のリセットじゃないですけど、家族がいたり、友達がいたり、自分が育ってきた街並みや沖縄の風景の中で、15年間ずっと活動させてもらえたから、僕ららしくあれたと思います。もし、僕たちに背伸びをしている部分が強かったら、きっと上京していたでしょうね。でも、僕らって人見知りだし、そういうキャラでもないので…(笑)。やっぱり沖縄が肌に合っているんだと思います。

NAOTO沖縄に住んでいると、東京にいる時よりも、リラックスできる時間が多い。あまり、ワチャワチャしていないというか(笑)。だから、音楽を作る時に、ほかのことを考えなくていいという余裕が生まれるんです。音楽をやるんだったら、刺激も多くて面白いことがたくさんある東京の方がいいのかなとも思うんですけど、そういったこととは違った、沖縄の余裕だとか癒し…その差ですかね。沖縄だと、時間の感覚も忘れられるし、せかせかせずに暮らしていける。そういう余裕が持てるような感覚があるんです。

CHANGE >>> 取捨選択し、シンプルに生きる“30代の今”

 活動拠点は変わらないものの、20代前後だった彼らは30代へと足を踏み入れ、15年前とは違う“変化”がある。それはORANGE RANGEとしての変化でもあるし、一個人として、アーティストとしての変化とも言えるだろう。3人の口から放たれたそれは、取捨選択をしながら日々を生きる、シンプルな価値観だった。
NAOTO自分の中で、いろんなことが気の向くままに、シンプルになってきているのかなと思います。物事の考え方もそうだし、自分に対しても。20代の頃は体力もあったし、いろんなことに興味があったから。今だったら、ラーメンと蕎麦しか食べないけど、昔だったら、インドカレーも食べてみようかなと思ったり(笑)。本にしても、読みたくない本も「読んでみようかな」って思っていたし、流行りの音楽も聴いていました。でも今は、本当に自分の興味があるもの、好きなものしか食べないし、読まないし、聴かない。それはもう、20年くらいかけて、自然とこうなってきたんだと思います。
YOH何か気になっていることがあった時に、意識して向き合った方がいいのか、次に活かすのか?というジャッジが、20代の頃よりも的確にできるようになりました。次に進むために意識して活かすのか、忘れることで活かすのか。もちろん、経験として、気になることを引きずってしまうことも“アリ”だとは思いますけど、毎回、それで負のスパイラルに陥ってしまうようだと、自分に対しての負担も大きいですから。逃げるためのチョイスではなく、前に行くため、攻めるため、「自分が自分であるため」に削ぎ落としていく。そういう選択をしていきたいという気持ちは、30代になって強くなってきました。
 若い頃にありがちな“闇雲さ”や“貪欲さ”はアグレッシブな生き方ともいえる。その一方で、時代やすべての価値観と向き合い、翻弄されてしまうと画一的になり、自分自身の個性を見失ってしまう恐れもある。東京ではなく沖縄で育ち、個性的な輝きを持ち続けているORANGE RANGE。年齢を重ねて余計なものを削ぎ落としてシンプルに生きることは、彼らの個性をさらに際立たせることにつながるのかもしれない。
タグ
  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Pinterest

ARTICLES関連記事