OLIVER

窪塚洋介「マンションから落ちるまでが第1章、今は第3章の始まり」

CULTURE
 映画『GO』『ピンポン』やドラマ『池袋ウエストゲートパーク』など数々のヒット作に出演し、独特な個性を持ちキャリアを築いてきた窪塚洋介。2006年からはレゲエDeejay”卍LINE”として音楽活動を続け、今年は巨匠マーティン・スコセッシが監督を務めた『沈黙-サイレンス-』でハリウッドデビューを果たすなど多彩なフィールドで活躍する。「今は少年のような気持ち」と語る窪塚が、7月15日公開の最新出演作『アリーキャット』で共演したDragon Ashの降谷建志との撮影エピソードや、生きるうえで大切にしていること、家族のことなどを語ってくれた。

■降谷建志(Kj)との運命的な出会い

 窪塚が今作で演じたのは警備員のバイトで食い扶持を稼いでいる元ボクサーの朝秀晃・通称マル。ある日、マルが飼っていた猫が行方不明になり探している最中に、保健所でその猫を譲り受けたばかりの梅津郁巳・通称リリィ(降谷建志)と出会う。その後マルは土屋冴子(市川由衣)のボディーガードの仕事現場に偶然居合わせたリリィとストーカーを撃退することをきっかけに、事件に巻き込まれていく。どこかカッコ悪くて、でも憎めないマルとリリィを、窪塚と降谷がベストコンビネーションで演じている。同世代である降谷とは、今作のオファーが来る少し前に運命的とも言える出会いのエピソードがあったという。

 「実は建志くんとは出演オファーが来る直前に、知り合いの結婚式で偶然出会ったんです。それで、その2週間後に今作のお話を頂いたので“神がかったタイミングで来たな”と(笑)。彼はお父さんや奥さんも役者をされているので芝居が身近だし、舞台を観に行ったり、役者仲間も俺より多くてバーでよく役者達と飲んだりもしているみたい。役者が持っている独特な匂いみたいなものも知っているんですよね。更に建志くんが持つ野生の勘と天性の才能が合わさった芝居をしてたので、共演してみて素晴らしい役者さんだなと感じました。現場にいる全員が彼の心意気や才能、今作にかける思いを受け止めて、気持ちまで浄化されて、純度と温度の高い作品を作ることができたんじゃないかなと思います」

 リアルでも意気投合したという窪塚と降谷。撮影現場の思い出も明かしてくれた。

 「共に浮き沈みの激しい世界を長年に渡りサヴァイヴしてきた同士です。彼はアーティストとしては長いキャリアを持っているけど…今回の現場では“君はロックスターだけど役者としては新人だぞ!”なんて半分冗談、半分本気で監督から言われてるところも目撃しました。それでも全身全霊でぶつかってきてくれたのが凄く嬉しかった。たった2週間の撮影だったけど、建志くん曰く“あと1週間続いていたら死んでたかも”と思えるぐらいに俺らは燃え尽きました(笑)」

■「マンションから落ちるまでが第1章、今は第3章の始まり、少年のような気持ち」

 2人が今作を通して親交を深めた結果、レゲエDeejay・卍LINEとアーティスト・Kj(降谷)のコラボ楽曲も誕生した。

 「『Soul Ship』という曲を2人で作って今年の4月23日に配信しました。今作の現場の後に彼と彼のスタジオに入ったんですけど、改めて建志くんのミュージシャンとしての凄さを実感しましたね。レゲエDeejayとしての俺と、ロックバンドのボスを20年やってきた彼との違いというのを凄く感じたし、建志くんからエデュケートしてもらったことや教えてもらったことは非常に大きかったと思います。

 レゲエとロック、畑は違えど音楽で繋がってる俺らは自分だけの道を歩いてきたから話が早いというか。だからこそお互いの違いも表現しやすいのかもしれないですね。“お互いの葬式に出ようね”“でもそれってどっちかが出れなくね?”なんて言い合ったりして(笑)。せっかく知り合えたことだし、映画か音楽かわからないけどこの先どこかで再会して、また2人で楽しいことができたらいいなと思っています」

 今の音楽シーンについての想いを問うと、窪塚はいたって冷静に“そんな、シーンがどうのとか口が裂けても言えない”と答える。

 「俺なんかは窓際族というか、まるで窓のサッシの上を歩いてきたような人間だから、下手したらまた向こう側に落っこちるんじゃないかと思われてるからね(笑)。ただその一方で、そういうギリギリの楽しみ方を見つけちゃったというか…。自分が、今後どんな風に生きていきたいか自分が明確に分かってる。その生き方の一つが音楽なんです。その結果、何か音楽シーンに影響することもあるかもしれないし、ないかもしれない…正直言ってそれは俺の知ったこっちゃないです(笑)」

 ミュージシャンになりたいと思ったわけではない。窪塚のやりたいことがたまたま音楽で、好きなことを形にしているだけだと笑う。今後の表現活動について聞くと…。

 「“順風満帆なデビューからマンションから落っこちるまで”が第1ステージ、“マンションから落っこちてから『沈黙』に出演した今年まで”がセカンドステージとすると、今は第3章が始まったみたいな感じなんです。音楽面ではもっと自分の奥の方から絞り出した曲作りをしたいですし、役者としては海外の仕事の話もいただくようになってきている。そのチャンスを最大限に活かせるように準備しておかなきゃいけないなと思って、今年から英会話を始めたりジムに行くようになりました。夢見がちな少年時代に戻ったような気分です(笑)」

■仕事仲間も、家族も、俺のファミリー

 デビュー以来ずっと、芸能界に媚びずに生きてきた窪塚洋介。1人の男として、日々大事にしていることの一つに“仲間”と答える。その中で父親としての窪塚洋介も垣間見えた。

 「マネージャーやヘアメイクなど周りにいるクルーは俺の友達がやってくれてるし、俺のいる音楽シーンはファミリービジネスとして、“現代社会にまかり通るような形を仲間と一緒に作ってきた”ようなところがあります。大切なのは家族や仲間に対してリスペクトを持って接すること。もちろん自分の子供にも一人の人間として接することが大事だと思うし、近しい関係の相手ほど“ありがとう”を言うようにしています。ウチでは“おはよう”を元気に明るく言うルールを設けているんですけど、それだけでその日の流れが全然変わってくるんですよ」

 「あと男が自分の道を見つけたり、大人になるってのは、親以外の影響が大きいじゃないですか。それは“街”だったり、兄貴(先輩)達だったり。ストリートのルールや夜遊びの仕方、やっていいことと悪いことを学んでいくじゃないですか。そういったことまで教えてあげられるような親父になりたいですね。昔出演したドラマで“悪いことするなと言ってるんじゃないの。ダサいことすんなって言ってんの”っていう台詞があったんですけど、それは今でもよく使っています」

■「人と人との間にある“愛”を大切に」

 自分にとっての、カッコいい自分、カッコいい父親の姿に向かってエネルギッシュに進む窪塚洋介。働き盛りの男たちへのエールを、自分を鼓舞するように語ってくれた。

 「人間誰しもが一人じゃ生きていけないし、人との関わりの中で生きています。レゲエで言ったら“I&I&I”。“アイ&ユー”じゃなくて人との間にあるのが?愛“だと言えるように、俺は人と人の間が猜疑心や不信感で埋まらないように掃除して、そこに音楽や映画を通して明るい未来や希望の光を馬鹿正直に永遠に提示し続けてやろうと思ってる」

 「どんどん言いたいことが言えなくなって、抱いていた感情すらいつの間にか忘れちゃったりするような時代かもしれないけど、俺は声を大にして一生“中二病”みたいなことを言って生きていこうと思っています。目に見える範囲や手に届く範囲、自分の生きる世界をより良いものにするために日々生きている。俺がバッチリなら俺のファミリーもバッチリで、俺のファミリーがバッチリなら世界もバッチリという方程式でこれからもまかり通ってやろうと思います」

YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」

タグ
  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Pinterest

OLIVER SPECIAL INTERVIEW

  • 長渕剛
  • 長渕剛
  • 伊勢谷友介
  • 小林武史
  • 窪塚洋介
  • 藤原竜也
  • 長澤まさみ