OLIVER

人と一緒”に飽きた人必見 “C級スニーカー”のすすめ

FASHION
 衰えるところを知らない、昨今のスニーカーブーム。人気モデルはすぐに品切れになり、街を歩けば同じモデルを履いた人とすれ違う。そんな経験をした人は少なくないはず。ブームの影で、そんな悩みとは無縁の、誰にも注目されない“C級スニーカー”をひたすら集めるコレクターがいる。その数約400足。何がそこまで惹きつけるのか。知るほどに面白い“C級スニーカー”の世界を教えてもらった。


■“C級スニーカー”ってなに?

 コレクター・永井ミキジさんが独自に定めた定義がこちら。
 「A級は、ナイキやアディダスなどのメジャーなスポーツブランドのビンテージもの。B級は、メジャーなスポーツブランドの現行品で、日本に仕入れの正規ルートがあり、気軽に街のショップで買えるもの。あとは、アパレルブランドが出しているスニーカーなどです」。

 そしてC級は、「1970年代以降のスニーカーブームにナイキやアディダスに続いて次々と誕生し、道半ばで廃業したり他のメーカーに吸収されたりした、今はなきブランドのビンテージものと、海外ではメジャーなのに日本にはあまり入ってきていない海外ブランド。あとは、メジャーブランドの定番モデル“風”な、通称“ブート”と呼ばれるスニーカーです」。


■一見地味な“C級スニーカー”。そのなにが魅力?

 かれこれ20年、約400足を集めてきた永井さんだからこそ気がついた、“C級スニーカー”の魅力が次の4つ。

01 認知度が低い。だから背景を知るほど語れるネタになる
02 欲しい人が少ない。だから値段が手ごろ
03 履いている人が少ない。だから人とかぶらない
04 デザインは一流。だからおしゃれに履ける

 昨今のスニーカーブームで“人と一緒”に飽きた人には、実に魅力的。入門編におすすめなアイテムとともに、その例をご紹介。


■語りたくなるストーリーを持つ、入門編におすすめな“C級スニーカー”

●01 カレッジブーム時のUSCスニーカー
 1970年代のカレッジブーム時に、南カリフォルニア大学(=USC)の公式スニーカーとして売られていたこちら。PREP-BILT(プレップビルト)というアメリカのSAUCONY(サッカニー)が持ってるブランドがカレッジシリーズのスニーカーを製造しており、UCLA版も同社のもの。

 「70年代のビンテージスニーカーとしても魅力があるし、昨年から人気のバーガンディカラーなので、今どきのおしゃれスニーカーとしても使えます。さらに、元巨人の江川卓さんが“空白の一日”の前に野球留学した大学が、実はこの南カリフォルニア大学なんですよ。OLIVER世代なら、このネタで盛り上がること間違いなしです(笑)」。

●02 AIGLE(エーグル)のフランス軍支給PX品
 軍で支給されるPX品は、本来は非売品。けれど、意外と巷に出回っているそう。こちらはエーグルがフランス軍向けのPX品として作っていたモデル。

 「軍支給用なので、AIGLEの文字のみでデザインも極力シンプルな作りになっています。派手さが一切ない、このシンプルさが、またかっこいいですよね。どこの靴か聞かれたときに語れる背景があるのも魅力です」。

 履き口がヨレているのはデザインではなく、PX品ならではの理由。「売り物と違って、箱で保管されないんです。小さい袋に乱雑に詰められたまま長いあいだ放置されていたので、型が付いちゃっただけです」。そんなストーリーもネタになる。

●03 学校指定靴 panther(パンサー)のデッキシューズ
 40代の人なら、その名を聞くだけで「懐かしい!」と叫んでしまいそうな、スポーツシューズブランド、パンサー。1964年創業の世界長ユニオン株式會社が生み出したブランドで、メイド・イン・ジャパンらしい機能性の高さから、1970年代には全国の学校指定靴として採用されていた。

 「一見、バンズのスニーカーのように見えますが、ヒールに“PANTHER”の文字が入っています。30代より下の人が見たら、“パンサーってなんだよ!”と突っ込まれそう。でも、ソールの色使いなどデザイン面だけ取ってもおしゃれ。40代以上の人には話しのネタになるし、おもしろいと思います」。こちらは3000円ぐらいで手に入れた。


 永井氏のコレクションには、語り出したら止まらないユニークなアイテムが、まだまだたくさんある。いったいどうやって見つけているのか。

 「古着屋とか地方のおばあちゃんが営んでいるような紳士靴屋とか、ホームセンターで買いますね。昔ながらの靴屋には必ず立ち寄るようにしています」。時には、バスも電車も止まらないような街を歩くこともあるという。「自分の足を使って探すのが、楽しさのひとつでもあります。王道からこぼれ落ちたものが集まる場所ってあるんですよね」。

 「街に出て出会うスニーカーがすべてじゃない。見方を変えれば、自分が“一生、これだけを履き続けたい”と思えるようなスニーカーに出会えるかもしれない。世界のどこかに素敵なスニーカーはもっとあるはず、といつも思っています」。これが、永井さんのモットー。興味を持った人はぜひ、見方を変えて探してみて。


Profile
永井ミキジ(ながい みきじ)さん

グラフィックデザイナー・アートディレクター。企業のロゴやシンボルマーク、広告、書籍の装丁などグラフィックデザイン全般を手掛ける。また、独自のコレクションをいかしたコラム執筆や商品企画・製作、店舗監修、イベント出演など幅広く活動中。

タグ
  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Pinterest

OLIVER SPECIAL INTERVIEW

  • 北野武
  • MIYAVI
  • ISSA(DA PUMP)
  • オダギリジョー
  • 玉山鉄二
  • 古谷徹
  • 長渕剛
  • 長渕剛
  • 伊勢谷友介
  • 小林武史
  • 窪塚洋介
  • 藤原竜也
  • 長澤まさみ