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声優・古谷徹、新生ガンダムへの想い「38年前よりもっと少年らしいアムロを演じたい」

CULTURE
 アニメーション作品『機動戦士ガンダム』でガンダムのパイロット、アムロ・レイを演じる古谷徹。ベテラン声優の古谷がオリコンのインタビューに応じ、50年以上のキャリアを築いてきた仕事哲学や、ファンから愛され続けるガンダムの魅力について語った。

■新生ガンダムに“ファンの気持ち”で関わっている

 ファーストガンダムのを新たな解釈で描いた映像作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の最新作『激突 ルウム会戦』が劇場公開中。『THE ORIGIN』シリーズでは、テレビで放送した物語本編の前日譚が描かれる。今から38年前の1979年に誕生して以来、古谷はガンダムに“主人公”として関わってきたが、「アムロが主人公ではないガンダム」についての想いを聞いた。

 「『THE ORIGIN』の映像化はすべて、新作のつもりで関わっています。それぞれのキャラクターの過去が描かれる。なぜシャアが復讐をするようになったのか? 本来はキャスバルだったのが、どうやってシャアと入れ替わったのか? これまで謎だったことが描かれていますし、原作コミックに比べるとかなりアムロの出番が増えていますよね。今作(ルウム会戦)ではカイってあんなに不良だったっけ?と思いましたし、自分自身もとても楽しみにしていました。コミックになかったシーンもありますから、ファン目線で楽しみながら関わらせていただいています」


■アムロが語る38年間ガンダムが愛され続ける理由

 「ストーリー、メカなどの多彩な魅力がありますが、実はガンダムは“王道の物語”なんじゃないでしょうか。アムロは最初からスーパースターではなく、戦争という闘わなければいけない状況になって、成長していく。僕が一番好きなアムロのセリフは、ブライトに殴られた後のフラウ・ボゥへの一言『悔しいけれど僕は男なんだな』。幼馴染を守るためにもう一度命がけで戦場に向かうんです。あの瞬間に、少年から男になったんですよね。アムロは、ファンの方たちが一番気持ちを投入しやすいキャラクターじゃないかなと思うんです。成長するためにはライバルが必要で、シャアという存在がいる。成長しながら強敵のシャアと闘っていく。これも主人公としての王道の姿ですよね」


■古谷徹の仕事哲学「パフォーマンスを出すための環境づくり」

 声優としての経歴は51年目に突入する古谷徹。半世紀に渡り第一線で活躍し続ける男の仕事のこだわりとは。

「僕らの仕事は、“一言のセリフに命をかける”ものです。それに尽きてしまう。プロであるからにはたった一言でお客さんを感動させなければならないと思っています。演技力や感受性も必要ですが、こだわっているのは、“制作スタッフや共演者とのチームワーク”です」

「アフレコスタジオだけでなく、僕らが“第2スタジオ”って言っている居酒屋でその日の仕事について語り合います。収録スタジオでは話せなかったことも距離が一気に縮まって話せてしまう。その話やアイデアは次の仕事(収録)にすごく生きる。連続モノなんかはコミュニケーションが非常に大事だなって思います。居酒屋に行くのが目的ではなく、コミュニケーションを図るのが目的ですが、僕らの業界はそういった場で“先輩の話を聞こう”、“スタッフとコミュニケーションを取ろう”と思っている人のほうが伸びますよね。飲み会だけでなく、若手が委縮しないように僕から声をかけたり、若い子との交流は意識しています。特に、ゲスト出演で初めてその作品に参加される方がいれば、分からないことを気軽に質問できる空気は必ず作るようにしていますね」


■いくつになってもカッコいい自分を追いかけ続ける

 古谷の過去の出演作では『巨人の星』の星飛雄馬、『ドラゴンボール』のヤムチャ、『聖闘士星矢』のペガサス星矢、『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面、最近では『名探偵コナン』の安室透、『ONE PIECE』のサボなど、人気作品で少年たちの(時には少女たちの)ヒーローを演じてきた。古谷個人としてどのような男を目指していたのかを語ってくれた。

 「いつか死ぬときに後悔したくないんです。やりたい時にやりたいことをできる男になりたいと今も思っています。それは、キャリアを積んで認められないとできないことだと思います。僕は常に声優の仕事にも快感を求めていました。ヒーローを演じてきたのも、カッコいい決め台詞を言った後の快感が忘れられなかったからです。理想の男でありたいと、“カッコいい自分を追いかけ続けてきた”んです。おかげ様でこれまでたくさんのヒーローを演じさせていただいて、バーチャルの体験ではありますが、それぞれのキャラクターが自分自身の体験のように僕の中に残っている。それは幸せなことです」


■38年前よりも、もっと少年らしいアムロを演じたい

 「『ガンダム』は僕の人生そのものです。出会っていなかったら、今は声優をやっていなかったかもしれない。ガンダムに出会って、アニメーションのヒーローってすごく気持ちいいなと思ったんです。そして、それを自分が納得できるように演じる難しさを知ったのもガンダムでした。 “僕自身が持っているポテンシャルを生かせるのがアニメーションだ”と思えたきっかけの作品です」

 「これまでの『THE ORIGIN』はシャアの過去編で、アムロは脇役でしたが…いずれはアムロが主役になると思います。皆さんの力をお借りして、もう一度アムロを主役にしてほしい。もし、「ルウム編」のその後を作るとなった場合、ファーストガンダムのまったくのコピーにはならないと思うんです。昔の自分を真似してもしょうがないですし、25歳の古谷徹が演じたアムロは今はもうできない。今、ファーストガンダムを見返すと、思っていたよりも大人な15歳なんです。今は“15歳なんてガキ”だと思っています(笑)。むしろ、38年前よりももっと少年らしいアムロを演じたいですね」

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